第18話
遼さんは、わたしが濡れた足を拭いて靴を履くのを確認してから「行こうか」と声をかけ歩き始めた。
それを見て、咄嗟にバカなことを口ばしった。
「ひ、人が多いから迷子になりそう」
なんて子供じみた……
自分で言っておきながら、恥ずかしくて俯いてしまった。
「菜々子ちゃんが嫌なんじゃないかと思ってた」
あきれたふうでもなく、遼さんは笑ってわたしの手をとり、そのまま、縁結びのお守りを買いに行った。
ちりめん生地で作られたお守りは、全て模様が違うと言われ、悩みに悩んで、わたしは水色に花の模様が入ったものを、遼さんは白地に半分が水色になって紅葉の柄がついたものを選んだ。
帰りは、また森の中のような道を、今度は手を繋いで歩いた。
「今度、遼さんの家に遊びに行ってもいい?」
「いいけど、何もないよ? いや、そう言えばゲームがある」
「遼さん、ゲームするの?」
「随分前に買って、しばらくやってないけど」
「どんなの?」
「アクションゲーム。敵を倒すやつ」
「やってみたい」
「いいよ。だったら掃除しないといけない。菜々子ちゃんにあきれられる」
「ぐちゃぐちゃ?」
「ビミョー」
「微妙」ってどんななんだろう?
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