第4話 葛餅

 騎士さんが居候を始めて早三日。騎士さんはヒモニートと化していた。どうしてこうなった。森の中に捨ててくるべきだっただろうか?


 ガワはイケメンなんだけどなぁ。中身は多分腐ってる。


 あの男については一旦置いておこう。今は趣味の野草レシピを作らなきゃ。


 今回はやたらと作るのに手間が掛かった葛粉を使おう。


 言うて上澄みの水を捨てて綺麗な水を入れる作業や、でんぷんを沈ませる作業を繰り返す過程を自動魔法で楽したからそんなに苦労はしていない。


 あっ、騎士さんが近づいてきた。何故かは分からないけど料理を手伝ってくれるんだ。魂胆があるのだろうか?


「騎士さんは黒蜜見ておいて」


「分かりましたー!」


 いい返事だ。ヒモニートのくせに。


 葛餅を作る。予め蒸し器の蓋にさらしを巻いておく。蒸し器のお湯は沸かしておこう。


 ボウルに葛粉と水を入れ、木べらで混ぜ合わせて溶かす。薄力粉と片栗粉を加え、さらに混ぜ合わせよう。


 こしながら鍋に入れて、弱火で混ぜながら熱する。


 木べらに塊がつく程度の固さになったら火から下ろし、さらによく混ぜ回す。


 型に流し入れて、表面を平らに整える。蒸し器に入れて、さらに中火で15分蒸す。


 そのあと型のまま氷水に入れて粗熱を取って食べやすい大きさに切ろう。


 きな粉をかけて、カットして全体に粉を付ける。黒蜜をかけたら完成!


 葛餅


「野草とは思えないぐらいプルンプルンしてて美味い!」


 野草を食べてる姿は映えるんだけどなぁ。でも騎士さんはヒモニートなんだよなぁ。

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