第六章・彼女の秘密

数週間後、思い切って柚希の家を訪れた。ドアをノックすると、出てきたのは彼女の母親だった。


「あら、匠くん。……柚希のこと、聞いてないの?」

「え?」


驚く俺を前に、彼女の母親は少し言葉を選びながら話し始めた。


「柚希、最近また病院に通い始めてるのよ。子どもの頃の病気が再発したみたいで……自分では隠していたけれど、辛そうだったから。」


耳を疑った。柚希が病気?そんな話は一度も聞いたことがなかった。


「ごめんなさいね。あの子、自分のことで誰かを心配させるのが嫌いだから。匠くんに伝えたくなかったんだと思う。」


胸が締め付けられるような感覚がした。彼女が「距離を置きたい」と言ったのも、すべて俺に心配をかけたくなかったからなのか。


「今、彼女はどこにいますか?」

母親は少し迷った後、病院の住所を教えてくれた。

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