第五章・すれ違いの再会
柚希と再会してから数ヶ月が経った。
最初は何度も連絡を取り合い、週末にはお互いの家を行き来した。大学の忙しい日々とは違う、社会人としての生活は慌ただしかったけれど、彼女と過ごす時間があるだけで全てが輝いて見えた。
しかし、そんな日々も長くは続かなかった。
ある日、彼女から突然のメッセージが届いた。
「少し距離を置きたい。」
理由は書かれていなかった。心配になって電話をしたが、何度かけても繋がらなかった。直接彼女の家に行こうとも思ったが、迷惑をかけるかもしれないと考え、足を止めた。
それからの数週間、俺たちの関係は途絶えたままだった。
「何がいけなかったんだ……。」
夜の部屋で一人、そう呟いたところで答えは見つからない。ただ、柚希の不安そうな表情や、別れ際の小さな仕草ばかりが頭をよぎった。
彼女の本音を聞きたい。いや、それ以前に、もう一度顔を見たい。
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