第15話
「なんで私を見てため息をつくんですかミザリーさんにラックスさん」
「悪い、なんだか少し嫌な予感がしてよ。降りてきたらアヤに魔法師団長様がいるからよ」
「ご無沙汰しております。ラックスギルドマスター、早速ですが詳しい話に移りましょう。大まかな説明は先ほどアヤ様がおっしゃったとおりです。それと読み上げていただいた通り国王陛下代理でもあります。ここまでで何か質問がある方」
ラン君がそこで区切ると先ほどトリトンさんの文書を読み上げた男性が口をはさむ。だが先ほどとは打って変わり雰囲気は落ち着いていた。
「二つ聞いていいか。一つ目は防衛戦争の意味が分からないんだが…。二つ目がなんで国王陛下が指揮を執るところをアヤだったか?こんな成人したての少女に任せる。説明していただきたい」
「わかりました。まずもう少ししてから実際には公表される予定ですが周辺3ヵ国が連合軍を起こしこの国に攻めてまいりました。兵力は今のところの報告では約55万、対する我が国の兵は現在動かせるのは1万と少し。貴族の私兵を合わせても1万5千です。そこで陛下は特殊なユニークスキルを持つアヤ様に指揮権を与えられました。アヤ様の実力については両ギルマスが知っていることでしょう」
「ああ、一瞬で店を魔法で建ててしまうんだからな。しかもユニークスキルで武器も出せる。陛下が託したのも納得だ」
「ギルマスがそういうくらいだ。アヤといったか?先ほどはすまねぇな。うちのメンバーがよ。話は分かった、ところでアヤの店の場所を教えてくれねぇか」
「そうですね。さらに詳しく説明します。避難場所は私の店の地下2階、地下1階には貴族の人たちの場所になります。冒険者、兵士の皆さんは1階、2階に本陣を置きたいと考えています。ちなみに内部は空間魔法で大幅に拡張してあるので問題ありません。荷物が多い人は地下3階に倉庫を作っておくのでそこに入れるようお願いします。場所は…ここと王城の中間にある少し開けた場所です。ハシシタ商店という看板があるのでわかりやすいと思います。あと騎士団長様が目印に立っておられるので」
そこまで説明して一息ついた私はいつの間にか出されていた飲み物を飲み一息つく。
「ん、わかったギルマス、この依頼なんだがCランク以上の冒険者が王都周辺の村々の誘導。残りは王都内の誘導って形でどう思う?」
「確かにな、それじゃその方向で「ちょっと待ってください」…なんだ?まだ何かあるのか?」
「先ほど読み上げた文書の裏を読み上げてください」
「裏面か?そんなのさっきは気にしちゃいなかったが…って、同時に王都を防衛戦争ように改築するって書いてあるな」
「その通りです。正確にはハシシタ商店を城門の外までもっていきます。そこから先は詳しくは現在国家機密になるのでお教えすることはできません。ただそうなると家を失う住人が出てくるわけであってその人たちに関しては新たに住むところを提供いたします」
ラン君のその言葉にギルド内は騒然としたがラックスさんが手をたたくと全員が避難誘導をしに行くのであった。
国を豊かにしたい少女の奮闘記 時雨古鷹 @sigurefurutaka9618
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