第14話
「陛下、最後まであきらめなければ必ずとはいきませんが勝てる見込みはあります。とりあえず陛下には1枚の書類を書いてもらいます。端的に言えば私にすべての指揮権を預けたということ、それと私の言葉は陛下の言葉と思うようにということの2点です。そしてこの国の存亡をかけた戦いに余計な犠牲を増やさないためにも王都周辺の村、そしてこの王都の民にも避難してもらいます。もちろん、私の店の地下に。陛下含めた王族およびその護衛騎士たちはいち早くこの城から奪われたら困るものを私の店まで運んでください。専用の部屋があります。ただし騎士団長、魔法師団長は私と共に来てください。とりあえずギルド本部に行って冒険者の人たちにも手伝ってもらいます。では、私はこれで」
それだけ言って私はギルド本部に向かって走り出した。ちなみにこの国の騎士団長はエルライト・ベグンベルトといいシルクさんの次男だ。ちなみに年齢はというと10歳なのだとか。前騎士団長をコテンパンにしてしまいその人から騎士団長に任命されたらしい。ちなみに今の副騎士団長だ。
魔法師団長はローランさんの長男でライという人だ。長男ということもあり本当は家を継がないといけない人なんだが次男に譲ったらしい。
「すみません‼緊急依頼です‼依頼者は国王陛下‼動ける冒険者は全員参加、内容は王都の人々及び王都周辺の人々の避難誘導‼避難場所は私の店、ハシシタ商店です‼」
私が叫び終えるといかつい男性パーティーだろう人がこちらによってきた。
「おい、ガキが突然きて国王陛下の名で緊急依頼だぁ‼寝言は寝て言えや。大体ガキがこんなところにくんなや」
「おっと、失礼。失礼ながらこれを読み上げてください。ここにいるすべての人に聞こえるようにです」
そういって一枚の紙を男に渡すのはライ君。エルライト君でもよかったのだがあいにく私の店に行ってもらっている。
それはさておき男は紙を受け取ると声を張り上げて読み始めた。
「これをここにいる奴らに聞こえるように読めばいいんだな?『この度の防衛戦争におけるすべての指揮権をハシシタ商店店主、アヤに預ける。なおアヤが言ったことは私が言っているものと同等と思え。ベグンベル王国国王トリトン・ベグンベル。追記、アヤの護衛に騎士団長、魔法師団長をつける』そう書いてあるな。あと今日の日付に正式な国の文書を示す紋章まで」
「おわかりいただけましたか?申し遅れました。僕はベグンベル王国魔法師団長ラン・テーストと申します。わかったのならさらに詳しく話したいのですが」
とその時ちょうど両ギルドマスターが下りてきた。そしてそのまま私を見つけるとなぜかため息をつかれた。解せぬ…
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