第12話 マリアライトの提案

「お父様、マリアライトです」


「入っていいぞ」


 アヤの店のお披露目会の翌日。私はお父様と話したいことがあり執務室にやってきた。許可があったので入るとそこにはお父様とローラン殿、そしてシルク叔父様がおられた。


「もしかしなくてもアヤのことについて話に来たのか」


「なぜわかったのですか?あ、もしかして今もアヤのことについて話していたのですか?」


「まぁそうだが…。実は周辺国が連合を組んで攻めてきてな。どうすればよいのか話してたのだ。宰相が言うにはアヤに意見を聞いてみればといわれてな」


 そこで私は昨日の出来事を話した。ローラン殿からの質問をアヤが真剣に考えていたこと。そして声をかけても反応がないほど考えていて独り言をぶつぶつつぶやいていたこと。


「よし、申し訳ないがアヤを呼ぼう。マリアライト、すまないが呼んできてくれないか」


「わかりました。確か6時(9時)から店が開くはずです。今の時刻は5時60分なので1日ずれますが私のお金から少し渡してきます。お詫びとして」


 そういって私は王城を出る。本当は馬車での移動が望ましいのだが馬に乗ったほうが早い。道行く人々に挨拶されながら店まで行くと開店前だというのに20人くらいの人たちが並んでいた。


「ちょっと失礼するわ。私は店長に話があるの」


「こ、これはマリアライト王女殿下。おいお前ら道を開けろ!!」


 最後尾に並んでいた人が前の人たちに声をかけ道が作られた。私は馬をおり護衛がまだ来てなかったので最後尾の人に頼んで扉を開けようと手をかけた。


「もーう、まだ開店前だっていうのに騒がしいよ?ってマリアライトさんじゃないですか?何か御用で…あ、もしやトリトンさん…国王陛下に言われて私を呼びに来たんですか?」


「ええ、そうよ。ただせっかくの1日をつぶしちゃって悪いわね。これ、私からのお詫びに金貨5枚もってきたわ。それと…この並んでいる人たちだけに商売をしてしまえばいいんじゃない?多分というかここにいる人たちは冒険者だと思うし。皆、何を求めてこの店に来たのですか?」


「ここにいる全員がバックを買いに来たのでございます。あと、そこの5人は包丁もだと言っておりました」


「わかったわ。マリアライトさn、マリアライト王女殿下はここで待っていてください。バックは1つ銀貨1枚です。包丁は銅貨5枚と50マルクです」


 そういってアヤは店内に戻っていった。1分もたたずに戻ってきたが。


「お買い上げありがとうございました。本日はこれにて閉店とさせていただきます。っとお待たせしました。行きましょうか」

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