第11話
「お集まりいただきありがとうございます。本日はハシシタ商店開店前祝いということでショップで買ってみた料理でおもてなしさせていただきます。えーどうやら宰相様が早く始めてほしいみたいなので召し上がってください」
私がそういうと全員が食べ始めた。ローランさんは少し苦笑いしているが。私はそんなローランさんのもとに行き頭を下げる。
「さっきはすみませんでした。ローランさん。で、先ほどは何やら難しい顔をされていたのですがどうしたのですか?もしかして国の命運にかかわるようなことでしょうか…あるいはここに来る前に奥様とけんかをして逃げてくるように出てきたとか」
「いや、ひとつ聞きたいことがあってな。アヤ、ありえないことだがもしこの国が滅びそうになったとしたらどうするのだ?ってこの質問は忘れてくれ…戯言だ」
「私は最後まであきらめませんよ…たとえ負けがわかっていた戦争だとしても…そうだ後ほど秘密をお話しいたします」
「秘密…か。それは秘密にしておいたほうがいいのではないか?」
「トリトンさんとローランさん、シルクさんだけに話すんです。まぁさっきの質問の続きですが一つだけアドバイスをしましょう。仮にこの国が存亡の危機の時はここに本陣を置いてもかまいませんよ。トリトンさんが捕まらなければ負けはしないんでしょう?酷ないい方しますが城なんて危機的状況になったら捨ててしまえばいいんです。必ず奪い返せますから…私がもし王なら危険な状況になる前にどこかに逃げてそこで再起を図りますね。では私はほかの人と話してきます」
そう会釈をして私は料理を食べ始める。ちなみにさっき言った本陣をここにおいてもいいというのは本気だ。その場合はこの店をすぐさま要塞に作り替える必要があるが正直なところ重火器をあらゆる窓に配置して撃ったほうがいいのだがお金もないしよほどの危機にならないとする気はない。それをするのならば地下を拡張してそこに大量の兵を潜ませておくほうがいい。ちなみにこの王都の街並みから予想するに市街地戦はできない気がしている。
「アヤさん!!アヤさん!!」
「はい!!ってマリアライトさん?どうしました?あとアヤでいいですよ」
急に声をかけられたのでびっくりして顔を上げるとマリアライトさんがいた。
「いくら声をかけても反応がなかったのよ。相当考え込んでいたみたいね。何をそんなに考えていたの?」
「いや、実はもしこの王都が戦場になったらどうなるのかと思いまして。考え込んでいたんです。先ほどローランさんからもしもこの国が滅びそうになったらどうするのかと問われましてね」
その言葉にマリアライトさんは絶句して考え込んでしまい話が続かなくなった。ちなみにお披露目会は無事に終わったのでよしとしよう。
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