第10話 ローランの思い
「ローラン、どうだ?アヤは」
「私個人の観点からいうと興味深いね。シルクのことは伝えていたとはいえ私が来ることは言ってなかったのだろう?その状況で宰相と言い当てるその頭脳。それに防犯対策のすごさに彼女が持ってた刀という武器。しかも私に何かを言いたそうにしていた。宰相としてはぜひ国に取り込みたいな。敵に回したら必ずこちらが負ける。そんなところだ」
招待客を迎えに降りていくアヤを見ながらトリトンと話をする。私に鑑定のスキルはないが相手と少し話すことで何となく相手の力量を図る特技があるのだ。そして私がアヤと言葉を交わして感じたのは畏怖に近い。
「トリトン、お前が王になった時くらいに私が話したこと覚えてるか?」
「確か夢の話だったな。周辺国が確か敵となって攻めてきたと。あの時は夢の話で済ませたんだがどうかしたか?」
「この店に見覚えがあるのだ…このあかりといい椅子とテーブルといい」
「まさか本当に攻めてくるわけではなかろうな。しかし…」
「兄上…これは明日報告しようと思っていたのですが王国に隣接する国がすべて同盟を結んだと。そして何やら軍を編成しているようです。その数およそ50万と…どこに向かうのかはわかりませんが」
「そうか…よしあとからアヤにも話してみよう。少なくとも力にはなってくれるはずだ」
「伝えるのは明日の朝早くでいいかと。今日は楽しみましょう」
暗い話を話すべきではないな…。アヤは本当に助けてくれるのだろうか心配だがな
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