第9話

「ようこそ、ウドゥさんたちと力無き集いの皆さん。あ、ちょうどヨアンさんとギルド長の2人も来ましたね。商品に触れないでください。麻痺します」


 力無き集いは王都を案内してくれた冒険者パーティーだ。ヴィルジールさんとフェオドールさんの男性2人と、アシュレイさんとセイラさんの女性2人で構成されているパーティーで、パーティー名とは違いきちんと力はある。


「それはさすがに怖いよ。しかし麻痺か…訓練にはいいかもしれないな」


「アシュレイさんそれはやめたほうがいいです2時間ほどで死にますし麻痺に加えてとんでもない激痛が襲うので回復どころではないです。他の人たちは来てるので2階に上がりましょうか」


「わかった。あまり待たせるわけにはいかない…ってもしかして国王陛下や王妃様じゃないだろうな!!」


「あ、ウドゥさんわかりました?王族4人に宰相のローランさん、公爵のシルクさんに護衛騎士が10人ほど」


 私がそういうとちょうどトリトンさんが下りてきた。その姿に力無き集いのメンバーは顔を引きつらせる。まぁ低ランク冒険者からしたら王族なんて雲の上の存在だ。


「アヤ、そのーお手洗いはどこにあるのだ?マリアライトが探しておってな。おおーラックスたちも来てたのか。そしてわからぬ者もおるが。あぁ非公式だ。あまりかしこまってくれるな」


「は、はい。私はこの店の向かいにあります家具店の店主をしているウドゥと申します。私の後ろにいます人たちは弟子でございます」


「私たちは冒険者パーティー【力無き集い】です。私はリーダーを務めるアシュレイと申します。そしてその横にいるのはメンバーのセイラ、ヴィルジール、フェオドールです」


「よろしく頼む。ウドゥといったか。あとから頼みたいことがある。明日の朝に来るからな」


 うんぜんぜんあとじゃないね。いやまあわかるんだけど。ちなみにこの世界に時間という概念はあまりない。なのでショップで時計を買ったのだがどうやらこの世界は一時間が90分らしい。なので1日が16時間になる。1日の時間を計ってみたものの地球と同じ1440分だった。


「まぁなんですから始めましょう。あぁお手洗いは部屋を出て廊下の突き当りにあります」


 さて…始めますか

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