第5話

「金貨7枚くらいですか…それなら王城とギルドの中間で貴族街の近くの商店街に小さい屋敷があります。1年ほど前に貴族様が商売をしようと建てたのですがその…処刑されまして使われずにいたんですよ。そこなら金貨1枚でいいです。ただ、趣味が悪いんですよね」


「あぁ大丈夫です。いったん更地にして魔法で建てるんで。そこを買います。で、なんでギルドと往生の中間なんですか?もしかして王族が来るとか…」


 そういいながらトリトンさんを見る。トリトンさんはまぶしいくらいの笑顔で頷いた。

 ですよねー。だって道を聞くためとはいえ聞いた人が王族、しかも国王だなんて目を付けられますよねー。


「公式に訪問することもあるかもしれんがお忍びだな。家…いや土地も買ったことだし行ってみるか。今日は休みだしな」


 あ、そうなんだ。毎日働いてるイメージがあったんだけどそうじゃないのね。

 ギルドカードには金貨5枚を入れておき残りはアースショップに入れておいた。商品はまだ見てないが期待している。

 土地にはミザリーさん、ヨアンさん、トリトンさんとその護衛騎士2人で行くことになった。ラックスさんも行きたそうにしてたが秘書に怒られていた。うん、開店前に招いてみよう。

 ギルドから歩いて1分のところにあった。趣味が悪いというのは本当のようだ。お金を持っていることを示したかったのかすべて金で塗装されている。


「じゃ、まずは解体しますね。とりあえず土魔法で周りを囲って…【地獄の炎】」


 全属性魔法が使えるのでもしかしたら創造魔法もできるんじゃと思い使ってみたらできた。思い描いたのは高校生の時に戦争について学んだ時にビデオで見たナパーム弾だ。その材料を課題で調べて覚えてたので使ってみたが思った以上に燃えた。おそらく酸素を加えすぎたのだろう炎が青い。そのおかげで30秒足らずで更地になった。


「で、次は地下倉庫を作りたいから土魔法で掘り出してと。補強のために【セメント】【乾燥】っと。少し時間かかるかな」


 その間にアースショップをのぞいてみる。驚いたことに建材の項目があったので見てみると銅貨5枚くらいで売ってあった。その中で檜を選んで買ってみる。値段は銀貨5枚。買ったらその場に出現した。魔法で様々な部分の形にしていく。


「固まったかな。よし組み立てていこう。【組立】っとやっぱり魔法は便利だねー。あとは木の板を2枚つけてその間にコンクリート流しておこう。一応はこんなものかな…。あれ、なんか人が集まってるし…。トリトンさんたちはフリーズしてる…ま、一応できたからいいか」

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