第21話 赤い革の日記
明るい太陽の日差しを受けると目が眩んだ。ゲロリンの縁側のところに集まって
日記を見た。それは表紙が赤い革で蓮の花の刻印が押してあるの立派な物だった。
『今日からここが私の部屋になってしまったのね。お父様の決めた事ですもの。仕方ないけれど。さみしい、お母様、お兄様、のりこ、皆んなと会いたい。
やめよう、悲しい事ばかり考えていても仕方がないもの。
幸い、ばあやとじいやは上の家にいてくれるんだから、時々は外に出られるし。
とにかく、他人に見つかってはいけない。』
『本を読んだり勉強をしたりしてるけど、つまらない。お母様に手紙を書いたのをじいやに持って行ってもらったら、毛糸とかぎ針が届く。お母様がのりこのセーターを編んでやってちょうだいと手紙に書いてある。どんな風にしようかなんて考えていると楽しい。お母様、ありがとう。』
「なんだろねぇ?どうも女の子がここにお父さんのせいでここに閉じめられてたような感じがするんだけど?」クニ姉ちゃんは渋い顔をしてる。
「僕もそう思う、、。だけど、なんでだろう?」姉ちゃんは正義感が強いからこう言うのが嫌いだ。
「とにかくさ、誰かが全部読んでまとめて発表してくれた方がいいんじゃない?」クニ姉ちゃんは本を読むと蕁麻疹が出るって言ってるから、日記を読むのも面倒くさいみたい。
「じゃあ、日記は僕が預かるよ。読んで調べてみたいし。」オサムちゃんはすぐにそう言ったわ。
あー、良かったと私もイッチもホットした。ゲロリンは悲しそうでぼんやりしてた。今度の日曜日にゲロリンの所へ全部集合!する事でその日は片付けて終わった。
私はおばあちゃんんちに寄った。だって泥だらけなんだもん。こんな格好で帰ったらお母さんがしつこく理由を聞いてくるに決まってるから。
おばあちゃんちでお風呂に入って、晩御飯食べてから帰るって電話してもらった。
「おばあちゃん、、、。あのね、お化け屋敷にね、地下室があったの。そこはね、どう考えても女の子が住んでたみたいなの。日記も見たかったのね。それはオサムちゃんが持って行ったの。オサムちゃんが読んでみるって。」
話したらおばあちゃんは驚いてお鍋を落とした。
「おばあちゃん?大丈夫?」
「うん、大丈夫、大丈夫よ。そう、、。あの地下室をみつけたの、、。」
「えっ!おばあちゃん、あの家の事を何か知ってるの??」
「そうねぇ。この話は皆んなに聞いて欲しいわね。おばあちゃんちに皆んなで集まってくれないかしら?」
「う、うん、、。」おばあちゃんはそう言うと仏壇にお線香を焚いて手を合わせてた。
何だろう、早く聞きたいけど、おばあちゃんの背中がそれを許さない気がしたから、その日はそのまま家に帰ったの。
翌日、学校でオサムちゃんは私とイッチを呼び出した。
「あの日記は読んだよ。あの日記を書いた人はどうも大正時代の人みたいだよ。
誕生日の話から推測すると日記を書いてた時は18歳だったみたいなんだ。
たちばな村の多くの土地を持っている大地主の娘さんだと思う。」
「あのね、うちのおばあちゃんに話しちゃったのね。そしたら、おばあちゃん何か知ってるみたいでね。皆んなを集めて欲しいって、そこで聞いて欲しい話があるのって。」
「アキのおばあちゃんが秘密を知ってのかい?びっくりしたなーもー!」イッチふざけるなって。
「うん、僕は聞きたいんだ。あの日記でね、とても気になるところがあるんだ。
もしかしたら、その答えをアキのおばあちゃんが話してくれんじゃないかと思うんだ。」
「オサムちゃん、気になる事って?なんなの?」
「、、、。あの日記の人は病気だったんじゃないかな。でも、それがどう言う病気かはわからないんだ。日記の中では、体に赤い発疹が出てることを気にしているんだよね。湿疹くらいでさ、そんなに重い病気っておかしいなって思うんだよね。
だから、アキのおばあちゃんに聞きたいんだ。」
病気だったの?おばあちゃん、一体何を知ってるの?
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