第20話 意外な部屋

それから、みんなで絨毯を丸々して、畳をうんしょこ、どっこいしょってあげたの。畳の下には板があったけど、それは簡単に外れた。

「ねぇ、暗いわねぇ。懐中電灯持って来たけど、、、。これじゃあわかんないわね。」クニ姉ちゃんは床下に首だけつっこんで見てる。

「えへん!こーゆーときはロクの出番だな。ロク、光石を見つけておくれよー。」

「ワン!」ロクは張り切って床下に入って行った。クンクンとあちこちの臭いを嗅いでいた。

「ワン!ワワワアーン!!」ロクが鳴いた。

「あ、ロクが土を掘ってるぞ!」イッチは素早くロクのそばに行って自分も掘り出した。私達もクニ姉ちゃんから軍手を貰って急ぐ。

ここほれ、ワンワン!

「あーっ!これじゃないか?」イッチは指を指した。そこには、金色の光るものがあった。

「これだよ。丁寧に掘り出そう、壊さないようにね。」クニ姉ちゃんは声まて小さくしている。

こうして、金色の光るモノが姿を現した。

「ねぇ、クニ姉ちゃん、これってお花じゃない?」

「うん、、。蓮の花だ。なんで蓮の花なんだろう。とにかく、動かしてみようか?」

「うん、クニ姉ちゃん、やろうよ。僕も多いに興味があるよ。」オサムちゃんもみんなも同じ気持ちだった。

クニ姉ちゃんは恐る恐る金色の蓮の花に触れた。

「回るわ、これ。」クニ姉ちゃんは蓮の花を回した。カチッと音がした。

「なんだろ?カチッと鍵でも外れたような感じがするよ。」すると、蓮の花の下から金属の板が浮いてきた。

「ねぇ、これ、地下への扉なんじゃないの?」扉は重かったから、ゲロリンが持ち上げてくれた。

「あっ、階段があるよ。」オサムちゃんは眉間に皺を寄せている。

「どうする?」私は皆んなに聞いたの。

「降りてみようでありんすか?せっかくここまでたどり着いたんでありますよ。」ゲロリンが言った。それで皆んなの決心はついた。

懐中電灯で照らしながら、階段を降りて行くと、そこには部屋があった。

桐の箪笥、机、本棚、木のベット。蝋燭立てが幾つもある。

「マッチ持ってない?蝋燭に火をつけたら明るくなるんじゃないかな?」オサムちゃんが提案した。


「あるわよー!うちのベルのマッチがね。これで蝋燭に火をつけよう。」クニ姉ちゃんは蝋燭に火をつけた。明るくなったら、そこはどう見ても宇宙船じゃ無いってわかった。なんだろ、悲しみが押し寄せてきた。

みんなは本棚の本とか机の引き出しを捜索することにした。本棚の本はどう見ても古い少女雑誌だった。「少女の友」これ、おばあちゃんんちで見た事がある。

机の引き出しからは日記が出て来た。

よくよく回りを見渡せば、蝋燭立ては蓮の花の形をしていたし、桐の箪笥の中には

着物やワンピースなんかが入っていた。

「これを見ると、ここに女の子が住んでいたみたいだね。」オサムちゃんはそう言った。

「そうだね、、。宇宙船ではないわね、、、。でも、何故こんな部屋があるの?」

クニ姉ちゃんは怖い顔で怒鳴るように言った。

「とにかく、一度上に上がろう。この日記に秘密を解く鍵があるような気がするんだ。」オサムちゃんの言うことに異論は無かった。

ここにいると息が詰まりそうでたまらないのは皆んな同じだったんだと思う。





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