第19話 謎解きは卒業文集かもね
クニ姉ちゃんとゲロリンは土だらけになりながらほんの1mくらいしか掘れなかった。
「あー、もうだめ。硬いんだもん。何よー。」
「あはーっ、はっはっ、、、。あちきもダメでありんすよ。」
いい歳した大人ふたりが子供みたい。
おばあちゃんが持たせてくれたおばぎがあったから、お茶を入れてふたりに声をかけた。
「休んだらー。クニ姉ちゃん、ゲロリン。おばあちゃんのお手製のおはぎかあるわよー!」
「えーっ、アキんちのおばあちゃんの!そらぁ休憩するしか無いよね、ゲロリン!」あれ?姉ちゃんゲロリンさんからゲロリンになってるぞ。
「美味しいわね、わたしは中にあんこでまわりにきな粉がまぶしてあるのが好きなのよね。ゲロリンは?」
「あちきも、クニさんと同じでありんすー。」
何だか、ふたり楽しそうじゃん。変なの。
「クニ姉ちゃん、やたらめったらに掘っても無駄だよ。何かヒントは無いの?」
「うーん。ヒントかぁ。これ、みてよ。オサムちゃん。卒業文集なんだけどね。
相原君のところを読んでみて。」
僕は将来、宇宙飛行士になりたいです。
その理由は、宇宙人は絶対にいると信じているからです。
僕のおじいさんは子供の頃たちばな村だった時に、ある雑木林で光を見たそうです。火事かと思ったそうで、ひとりで見に行ったんです。
雑木林の一部が何かで焦げたように木が無くなっていたと言うのです。
怖くなり家に帰ったそうですが、翌日の朝にもう一度見に行くと、そこには
家が建っていたと言うのです。
それが、皆んなが噂しているお化け屋敷なんです。
この話を周りの人にしたそうですが、誰も信じてくれなかったそうです。
あれは、人間がした事じゃない。宇宙人だといつも話してくれました。
おじいさんはあの家の地下には宇宙船があると言うのです。
焦げた場所のちょうど真ん中から一本の光が出ていたんだそうです。そのには光石が目印みたいにあったそうです。
あの家は出来たのに誰も住んだ事が無いのはおかしい。あれは、宇宙船の隠し場所だからと言うのです。
僕はその話はあまり信じてませんが、宇宙人はいると思うんです。
いつか宇宙飛行士になっておじいさんにいた事を話してあげたいと思っているのです。
「どう?これ?」クニ姉ちゃんはオサムちゃんに聞いた。
「うーん、、、。一晩で家が建つなんてあり得ないなぁ。この場所の真ん中に光石があるのか、、。だとしたら庭じゃない。家の中、そうだね、何処が真ん中だろう?地図でもあるといいんだけど。」
「あ、ここの家に引越して来た時に、古い家具なんかがありんしたよ。その引き出しの中にこの家の間取りが書いてある紙がありんした。ちょいと待っててください。」
ゲロリンは黄色く変色したところどころ破れた紙を持って来た。
オサムちゃんは自分の鞄から分度器やらコンパス方位磁石を取り出して何やら間取り図とに睨めっこしていたけど、
「この間取りと庭を含めての真ん中がわかったよ。ゲロリンの居間のテーブルの下あたりだ。そこを探してみよう。ゲロリン、畳までとる事になるけど大丈夫かい?」
「いーいでありんすよ。クニさんの夢に協力したいでありんすからね。」
「ありがとうーー!ゲロリン!」って言うとクニ姉ちゃんはゲロリンに抱きついたから、ゲロリンは口から泡を吹いて倒れた。
「あら、やだ?どーしたの?ゲロリン!しっかりしてよ。」クニ姉ちゃんは自分のせいだと気がついてない。
イッチは慌てて、ゲロリンの便所スリッパを額に乗せた。
「父ちゃんが言ってたぞ。泡吹いて倒れた時には頭に草履を乗せるんだって。」
「あー、うちのおばあちゃんも言ってたーー!」
「そうよ、私も聞いた事あるよ、やったね、イッチ!」
オサムはこんなの迷信なのに。皆んなで安心してるんだろう。全く、クニ姉ちゃんまで、、。僕がしっかりしなきゃお終いだな。
そうだろ?ロク。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます