第14話 ビニコさんって、、。
ゲロリンは躊躇いながら、箪笥をひらけごまーしたらしい。
そーこーにーはー、、、。おかしな顔の空気人形が鎮座マシマシていた。
「なんだ?これ?空気人形?ダッコちゃんみたいだな。」イッチはポカンとしてた。
「くっくっくっ、、。」オサムちゃんは笑い出した。
「オサムちゃん、何が笑えるんだ?俺にはさっぱりわかんないぞ?」
「あ、ごめんよ。ゲロリン、イッチに話してもいいのかな?」
「そうでありんすね。男同士でありんすから、、。」
「じゃあ、話すね。イッチ、僕たちさ、最近オチンチンがおかしくなる時あんだろ?朝とかにさ。」
「あるぞ!!何だか知らないけど大きくなってんだぞ!俺、病気かと思ってたんだ。オサムちゃんもかい?」
「うん。これはね、男の子が大人になってくのに必要な事なんだよ。そうならないとね、将来、結婚して子供が作れないんだ。」
「そーなのか。良かった。そいでさ、ゲロリンの心の友はなんなんだい?」
「つまりさ、ゲロリンにとってビニコさんは恋人なんだよ。テレビでもやってるだろ?恋人同士はキスしたり抱き合ったりさ。そーゆーことさ。」
「ええ!ビニコさんダッコちゃんだぞ!人間じゃないぞ?」
「イッチ、世の中には色んな人がいるんだよ。ゲロリンみたいにビニコさんが好きならそれでいいじゃないか?イッチだってさ、ロクの事を弟だって言うけどさ、
犬じゃん、人間じゃ無いって言われたらどうする?」
「それは、違うぞ!誰がなんて言おうとロクは俺の弟だぞ!」
「だろう?ゲロリンも同じなんだよ。何もおかしくないんだよ。」
「そっか、わかった。ビニコさん、よろしくな。ゲロリンと仲良くしてやっておくれよ。」イッチはビニコさんの手を取って握手した。
「オサムさんはすごいでありんすねぇ。あちきは感心したでありんすよ。」
「ふふふ、ゲロリン、アレってさ、南極探検隊が持って行ったヤツだよね。」
「ウヒャウヒャ、そこは秘密にしてくださいでありんすよ。」ゲロリンはウインクした。
私は2階から降りてきた男の三人が妙に仲良くなってる気がしてやきもちを焼いた。
「何よー、三人で仲良くなっちやってさ。オサムちゃん、ビニコさんってなんだったのよ?」
「あれはね、アキか大切にしてるパンダのぬいぐるみと同じだよ。ゲロリンはひとりで暮らしてきただろう。寂しい時だってあんのさ。」
「ぬいぐるみとは違うと思う!なーんか怪しいなぁ。」
「怪しくないぞ!俺たちは家族がいるんだぞ、でもゲロリンはひとりぼっちなんだからな。寂しいに決まってるぞ!」イッチは鼻の穴をおっぴろげて言う。
確かにゲロリン、ずっとひとりだったんだなぁ。宇宙人のお父さんとは会えないだろうけど、人間のお母さんって何処かにいないのかなぁ。
聞いてみたいと思ったけれど、何だかそれはゲロリンを傷つけるようでできなかった。
くっそーー、あいつら、私に秘密持ってるわよ!悔しい、モスラーー!
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