第6話 金星人ならキングギドラがやって来る

奴の髪の毛は肩よりも長くて真っ黄色、顔は真っ白で目の周りに赤で星印があった。唇は真っ黒。ズボンはあちこち破れてるし、シャツはギンギラギンに光ってる。

「ねぇ、あれって、ゴジラに出て来た金星人じゃない?金星人もギンギラギンの服でさ髪の毛のあんなんだったよ。あー、ゴジラ対キングギドラ面白かったなぁ。」ゴジラファンの私は自信があった。

「えーっ?宇宙人ってことか?オサムちゃん、どうだ?」イッチはオサムちゃんに決めて欲しいんだ。

「うん。まだ、はっきりとは言えないな。情報が少ないからね。しかし、奴は只者じゃないよ。もしかしたら、僕達の町に悪い事が起きるかも知れない。何としてもそれは阻止しなきゃ。」

オサムちゃん、真剣だよ。

「なぁ、あいつの名前を決めようぜ、オサムちゃん、アキ。あいつとか奴とかって

面白く無いじゃん!」

「イッチの言い出しそうな事だよ。じゃあ金星人ね。」私が言うとイッチは大きなため息をついた。

「アキってさ、つまんないんだよな。金星人ってさ、。テキトーすぎるぞ!」

「じゃあ、イッチは何がいいのよ!!」

「そうだなぁ。あ、いいの思いついたぞ!イクラ食べておえおえ吐きそうになってたからゲロリン星人ってのはどうだ。」

「はぁーー、ゲロリン星人?」バッカみたいと思ったわ。

「うん、いいね。ゲロリン星人。そんな名前の宇宙人って聞いた事ないもんな。

それで行こう。」オサムちゃんまでがそんな名前がいいって言うなんて。男子って

アホなんだわと思ったけど、多数決だから諦めた。私の中では金星人だもんね。

こうしてあいつはゲロリン星人になった。

ゲロリン星人は突然、空に向かって叫び出した。

「俺はビニコにガンガンさーあーー!宇宙船から飛び降りろー!そしたら脳みそ流れてびとびとだぁーーん!」

ゲロリン星人は頭をぐるんぐるん回しながら舌をヘビみたいに出してる。

ぴょんぴょん飛び跳ねたり木に抱きついたり。

「、、、。あれ、何してると思う?」イッチが聞いて来た。

「あれは、宇宙船との交信だな。暗号なんだよ。ああしてさ、地球の様子を報告してるんだ。ゲロリンめ。」オサムちゃんはゲロリンを睨みつけている。

私はゲロリンが金星から来たんだったらキングギドラが飛んで来るんじゃ無い?

そしたら、ゴジラも海の底から起きて来て、ジャジャンジャジャーン!

インファント島から泳いでモスラの幼虫が来る?それとも成虫が空から羽で飛んでくるのかなあって、そんな事ばかりが気になっていた。


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