第5話 お化けが買い物する?
お化け屋敷の住人はどうも町に向かっているようだった。
「ねぇ、この道の先は商店街じゃないかなぁ?」オサムちゃんが推理する。
確かにそうだ、この先は商店街。何しに行くの??まさか、泥棒?私はドキドキしながらいつのまにかオサムちゃんの手を握っていた。
「アキ、大丈夫だよ。商店街ならお店の人や買い物に来た人が沢山いる。
あいつが何かしたら、イッチとロクちゃんが交番へ走ればいい。
だけどさ、お化けが買い物ってさ、、。あはは。」
オサムちゃんが笑い出したから、イッチも私もつられて笑ったら少しほっとした。
そうこうしていると、やっぱりたちばな商店街の入り口に着いたのだった。
おかしな格好をしてるから目立っていたけど、気にもしないであちこちのお店を見ている。
「あ、八百屋さんだよ。じゃがいも、にんじん、玉ねぎ買ってるぞ!何を作るんだぁ?」イッチは興味深々だ。
「ほら!イッチのところへ行ったよ。お肉買ってる、あー!コロッケもだよ。」
「アキー!うちの父ちゃん、コロッケおまけだよーなんて言ってるぞ!」
イッチのお父さんは商店街に買い物に来てくれた人はみーんな親切にするからね。
何だか世間話してるみたい。
お化け屋敷の住人も笑ってる、、、。
「ねぇ、オサムちゃん、やっぱりお化けじゃないよね。だってさ、商店街の人達に姿が見えるんだもん。」
「うん、そうだね。でもさ、変装して買い物するなんておかしいよ。あいつには何か隠さなきゃならない理由があるはずだよ。」オサムちゃんが言う。
「おい、アキ、オサムちゃん!魚屋のおばちゃんのところへ行ったぞー!
あのおばちゃん、何でも味見しろって言うんだよな。ほら、なんかを勧められてるぞ!」
お化け屋敷の住人は突然
「うげぇーーーーつつ!」と叫び悲鳴を上げていきなり走り出した。
「一体何があっんだ?」オサムちゃんが驚いている。
「イッチ、聞き込みだよー!魚屋のおばちゃんのところへレッツゴー」
おばちゃんに聞き込みをした。
「何だってんだい?あのミョウチキリンな奴は。いーい、イクラが入ったのさ。
だから、味見していきなって。手に乗せてやったんだわ。その途端に大声あげて逃げやがったんだ。あーんな客は初めてだよ。あんた達知り合いかい?」
「知り合いあじゃないよ、おばちゃんんちのイクラうめーのにな。」イッチはうまいこと言っておばちゃんからイクラの味見させてもらって大喜び。
オサムちゃんに報告しなきゃ。
「それは、いい事がわかったね。イクラが苦手って弱点がわかったじゃないか。
ふふふ、おかしいよね、イクラがねぇ。」オサムちゃんは悪い顔になってる。
私達は奴はお化け屋敷に戻ったのだろうと走って向かった。
お化け屋敷に奴はいた。おえおえーっと言いながら縁側で吐きそうになっている。
「ふーん、奴は余程イクラがダメなようだ。」オサムちゃんは嬉しそうだ。
奴はしばらくして落ち着いたらしく家の中に入っていった。
「何してんだろ?料理でもするのかなぁ?」私がつぶやいた時だった。
「なっなんだーー!あれーー!」イッチが腰を抜かした。
帽子もサングラスもマスク、コートも無い、そこには新聞屋のお兄さんが言ってた
奴が出て来た。
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