第4話 半ドンはチキンラーメン

土曜の半ドンがやって来た。

おばあちゃんちにランドセルを置いて、おばあちゃんの作ってくれたチキンラーメンを三人で食べた。うまーい!!

丼鉢に丸いラーメンの塊をぽん。ちんちこちんの火鉢のやかんのお湯を注いで蓋をして待つ。

どこんちも、体に悪いって食べさせてくれなかった。おばあちゃんは残さず食べればいいよって。うふーーん。大好き、おばあちゃん。

3分くらいで麺の様子を見る、うん、いい感じ。いい匂いだ。具なんて無し。

皆んなで、ハフハフ、オサムちゃんのメガネは曇って真白。

おばあちゃんは、ロクにご飯とお味噌汁をかけたのをあげてる。

満腹だ。

「おばあちゃん、私達ね、植物採取の宿題があるから出掛けてくるね。」

「ああ、そうかい。気をつけて行っておいで。」

新聞の広告にひねりあられをキュキュと包んで持たせてくれる。

おばあちゃん、ありがとう。


さあて、行くか!

公園を通って町外れの大きな木が生えてる道をどんどん歩く。

「はやあーー、あれだよ、お化け屋敷の屋根が見えてきた。」イッチはビビってる。

「うん、ここからは気をつけて行こう。なるべく音を立てないようにね。」

オサムちゃんの指示で抜き足差し足で忍者赤影みたいだ。

お化け屋敷の近くに来た。木の陰にかくれてお化け屋敷を見張る。

「ねぇ、オサムちゃん、おかしくない?お化け屋敷ってさ、大人の話だとオンボロで草ぼぼーで木とかもわさんわさんに伸びてるって。」

「そうだね、草はきれいに刈り取られてるし、木も枝が刈り切りとれてるね。」

「うん、家もさペンキで塗ってあるぞ!変だぞ、お化けかなぁ。」

「イッチのばーか。お化けが家を綺麗にする訳ないでしょ!オサムちゃん、お化けじゃないよね。」

「そうだね。まあまあ、ゆっくり観察しようよ。ここの住人を確かめなきゃ。」

そんな話をしていたら、縁側雨戸がガラガラって音を立てて開いたんだ。

私だちは息を飲んで見つめたわ。

出て来たーー!

「何??あれ、、、。毛糸の帽子を被ってサングラスをかけてる、おまけにマスクまでしてるし。」

「あれじゃ顔なんてわかんないぞ?服だってさ、長〜いコート着ててさ。新聞屋のお兄さんの話とは全然ちがうんだよなぁ。」

「イッチが聞いた話とは違うよね。でも、あれは変装じゃないかなって僕は思うんだ。」

「変装ーー?悪い人なのかも知れないよね。殺人鬼とか誘拐犯とか。」

「アキ、今のところはわからない。あ、何処かへ出掛けて行くよ。あとをつけよう!」

オサムちゃんに言われて私は怖い気持ちになりながら見つからないようにあとをつけた。

お化け屋敷の住人はコートのポケットに手を突っ込んで猫背でテクテクと歩きだした。





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