第3話 スーパージェッターはヤダ

イッチの話では、新聞屋のお兄さんが自転車で配達の途中にお化け屋敷の前を通ったら誰かがいたらしい。それが、とても人間とは思えなかったって。髪の毛は真っ黄色で腰くらいまでダラリ、顔色は真っ白で唇が真っ黒、破れた服を着てズボンなんてお尻出てたらしい。訳のわかんない呪文を大声で叫んでたって言うの。

「うーん。なんだろう、、。」オサムちゃんは腕組みをして考え込んでる。

「なぁ、怖いだろ?お化けじゃないかなぁ?」

「お化けなんている訳ないじゃん!朝っパラからのお化けってさ!」

「いや、アキ、決めつけるのは良く無いよ。へぇ、あのお化け屋敷にねぇ。僕は多いに興味がそそられるね。宇宙人はいるんだからね。お化けだっていたっておかしくないよ。 」

「宇宙人?それってさ、ウルトラマンとかマグマ大使とかってこと?」

「アキ、それとは違うと思うよ。僕らの住んでる太陽系とは違うところに住んでる宇宙人だよ。それにさお化けだっら面白いじゃないか!だからさ、確かめに行こうか?」

オサムちゃんはイタズラっこの顔でウインクしたの。

これをやる時はノリノリなんだよね。

「ねぇ、それってさ明智小五郎の中に出てくる少年探偵団みたいだな、オサムちゃん、あき?かっこいい〜!」

「イッチって本は怪人二十面相しか読まないもんね。」

「いや、イッチの言う通りさ。僕たち少年探偵団を結成しよう。名前はどうする?」

「俺さ、スーパージェッター探偵団とかがいいなぁ。」

「やだ!スーパージェッターってイッチが好きなテレビの漫画の名前じゃないよ。

人の名前を取るなんて泥棒と同じだもん。私達らしいのがいいわね。うん!」

「僕たちらしいか、、、。

じゃあさ、ここらはたちばな町じゃないか?学校もたちばな小学校だし。

商店街もだろ?だから、たちばな少年探偵団ってのはどう?」

「ロクーー、お前どう思う?何だかやる気出ない名前だと思わないか?」

イッチはスーパージェッターを反対されたからウジウジしながらロクに助けを求める。

ロクはイッチの顔をぺろぺろして慰めてくれる。それでイッチもようやく賛成した。勿論、私も賛成。

「ねぇ、それでどうするの?オサムちゃん。」

「まずはお化け屋敷を偵察に行かなきゃね。お化けなのか?宇宙人なのか?

調べないとね。」

「夜はやめようよーう。危ないぞ!母ちゃんにゲンコくらわぁー。」

イッチは弱虫だから、そんな事を言ってると思ったけど、子供だけで夜に出かけていいのはお祭りくらいだから、こんな寒い時に出て行けばお母さんが見逃す訳ないもんね。

「そうだね、夜は危険だ。なんせ、相手が何者かわからないんだからね。まずは明るい時に行こう。土曜日は半ドンだからアキのおばあちゃんんちへランドセル置いて行こうよ!」

「うん、オサムちゃんの言うのがいいよね。じゃあ、土曜日の半ドンのあとね。」

「ロクも連れてっていいかい?」

「ロクかぁ。ロクはイッチより賢いからしーってすれば吠えないもんね。

いいわよ、ねぇオサムちゃん。」

「ああ、ロクは何かあったらこっそりと伝言してもらう役目にしよう。

頼んだよ、ロク!」

「ワン!」

ロクは任せておけって感じで返事をした。






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