第5話文化祭

「文化祭のだし物について意見をお願いします。」

「準備が簡単で、それでも盛り上がるものがいいな。」


「男装カフェがいいんじゃない?。」

「それならメイドカフェ。」

「焼きそばの屋台。」

「クレープはどう?。」

いろんな意見が出たけどイマイチピンとくるものがなかった。


「教室内で、ヨーヨー釣りや射的、輪投げといった縁日系のお店をいくつか設置して、楽しんでもらったらどう?。誰でも入りやすくて、気軽に楽しめるので、盛り上がるでしょう。準備も難しくないし。」


切開の提案に皆、賛成し、今年のだし物は縁日となった。

ー文化祭は楽しいけど、あんまり準備が大変だと、勉強に差し支えるし、クラス内がでもめる可能性があるわ。ー


「順番で休憩時間をとって、私達も校内をまわれる様にしましょう。」

切開が補足して提案した。

ー萩原くんと文化祭を見て廻りたいわよね。ー


「男子も女子も浴衣で縁日を盛り上げよう。」

という、石井の提案にも皆賛成した。


「おはよう。」

浴衣で切開が教室に入っていった。

「切開さん。可愛い〜。浴衣似合ってる。」

「後れ毛が色っぽい。」

切開の浴衣姿に、皆がうっとりと見惚れてしまった。


「ありがとう。皆も、ステキだよ。」

ー私は美容室で髪も着付けもやってもらったの。だって、今日は萩原くんを誘って文化祭を見て廻りたいんだもの。ー

切開は気合いを入れてこの文化祭にのぞんでいたのだ。


縁日は好評で、売り上げも順調だった。

「切開さん。君の担当の売り上げ好調だね。」

「ありがとう。萩原くんはもう文化祭を見て廻ったの?。」


「ううん、まだ。切開さん休憩がとれたら一緒に廻らない?。」

「嬉しい。私も萩原くんを誘おうと思ってたの。」


二人は休憩時間を合わせて、文化祭を一緒に見て廻った。

ゲームをしたり、チェロスを食べたり。

お化け屋敷ではさりげなく萩原くんがリードして庇ってくれた。

ーいいムード。やっぱり、萩原くんステキ。ー


「そろそろ教室に戻る時間だね。」

「本当に。楽しくてあっという間に終わっちゃた。」


「切開さん。誰か好きな人がいるの?。」

「え?。どうして?。」

「もしよかったら、僕と付き合わない?。」

「嬉しい。私も萩原くんと付き合いたいって思ってたの。」

ー萩原くんから告白してくれるなんて。最高。ー

「ただ、私の両親が異性関係に厳しいから、一度私の家に来て、両親に会ってくれると嬉しいな。」

「いいよ、それくらい。」

「ありがとう。面倒くさくてごめんなさい。」


幸せでふわふわしながら、教室に戻ると、教室が変な雰囲気になっていた。

「どうしたの?。何かあった?。」

「あれ見て、他校の不良がやりたい放題して、先生に注意してもらったのに、更にエスカレートして居座っちゃったの。」







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