第4話最後の声

「蒼月ルナから皆様への感謝の手紙をお届けします」


リンクをクリックすると、音声メッセージが再生された。

彼女の声が響く。それは初めて聞く長い言葉だった。


「皆さん、はじめまして。蒼月ルナです」


画面の前で、俺は固まった。

彼女の声は柔らかく、でも少し震えているように感じた。


「ずっとデビューを楽しみにしてくれていたのに、期待を裏切ってしまって本当にごめんなさい。私も、皆さんに直接会いたいとずっと思っていました」


彼女の声は一瞬途切れ、次の言葉を紡ぐまでに少し間が空いた。


「でも、私はどうしても叶えられない夢を抱えていました」


涙が溢れそうになるのを感じた。

彼女が何を言おうとしているのか、分かってしまったからだ。


「私は、長い間ある病気と戦っていました。それでも皆さんに笑顔を届けたいと準備をしてきましたが、体調が悪化して配信をすることができなくなりました」


声が震え、彼女の感情が伝わってくる。

コメントもできず、ただ画面を見つめ続けた。

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