第48話



 この村には、水浴び文化が昔からある。


 そしてこの前俺が公園もどきを作って、村人達は“滑り台”の存在を知った訳だ。


「私はウォータースライダーの方が好きだよ」


 と催促してくるアズマさんに、皆の期待の目が光る。


 ……若干1名、アズマさんの“好き”発言に別の視線を向けてくるお方が居ますが。

 そっちの好きじゃない事は分かりきってるじゃないですかぁー…やめて頂いても良いですかねぇ、その殺気ぃ〜〜。


 …本当に、心狭いよねー、アズマさん関係の話になると。呆れ。




 ウォータースライダーなんて、作る気無かったけど作りました。


 だって、ジェニーが


「お父さんのカッコいいとこ見てみたいっ!」(アズマさんの仕込みで全棒読みだったけど)


 って言うもんだからさぁ。

 …チョロい?

 娘には甘くて良い派なお父さんですが、何か?


 天然の川に勢い良くダイブは流石に怪我する恐れがあったんで、プールから作りましたよ。

 安全、大事。


 水が流れ出る仕組みは魔道具で組んで作った。

 …流石に日本にあったあの機構については調べて無かったんで、魔道具で代用した。



 プールにスライダーは、大人気になった。

 ボードで滑り落ちる奴も人気になった。(人気すぎて長蛇の列だったんで、一気に人数消化出来るようにしただけだったりする。苦肉の策)



 …プールが流行したけど、風邪も流行したのは俺のせいじゃないだろ、流石に。


 楽しいからって、冷たさ我慢してまで毎日入りに行かないで欲しい…常識的に。


 寒い日にも連日入水して、身体冷やして熱出す輩が続出したんで(大人も子供も)、プール潰すか?ってなったわ。遠い目。


 皆の反対にあってあえなく実行には移せなかったけど、それなら村長がちゃんと管理しろよ!と丸っと村長に仕事ぶん投げた俺は悪くないと思う。


 …尚、村長も風邪をひいていたのは、全力でスルーした俺で有る。


 皆、はしゃぎ過ぎだからな?


 因みに、ジェニーは入水時に鼻に水が入っちゃったらしく、直ぐに公園の滑り台に舞い戻って行ったのであった……作った意味よ。






 レオンとグレンは、出戻り?と言うか、行商を投げ出した事を気にしていて、あんまり家から出て来なくなったんだよなぁ。


 別に気にしなくても良いと思うんだが、父さんと母さんとリースに、気にするお年頃だからそっとしておいてあげて…と言われた。

 俺、そんな時期無かったんだけど。


 両親には、やれやれされて、リースに生温い笑顔で背中をぽんぽんされた俺である……解せぬぅ。




 レオンとグレンが引き篭もりした時期位から、村の何人かが言い掛かり?と言うか後ろ指をさすみたいな事をする奴が出て来た。

 …俺の前ではやる奴は少ないけど。


 その中に実は、リースの両親も入っていたりするのが頭が痛い所である。

 …簡単に、殺せないじゃん?


 しがらみ、マジめんどいよな。


 家族が良いって言ってんだから、他人が口出すんなよって話なんだけど、頭硬い奴らは多い訳で。


 じゃあ、俺ら引っ越すか!

 って話も出たんだけど、それは村長筆頭に断固として村全体で反対されちゃってさぁ…。


 …ってか、俺について行く勢が多過ぎて文句ある組が黙らざるを得なかったと言うか。


 あっさり村から出る発言した俺に、めっちゃビビってた村人達大勢いたけど、そりゃあ俺家族が一番大事なもんで。


 レオンとグレン、畑仕事は手伝ってくれてるし、全然働かないニートって訳じゃ無いのに周りは何を言ってるのかな?って感じなんだけど。


 世間一般的に、独り立ち出来ない=悪らしいの時代錯誤じゃね?と思う訳ですよ。


 元々世襲する気だったら良くて、人生設計途中で転向するのは独り立ち認定しないって何??な俺が居る。マジこの村人の理論、謎過ぎるんだが。


 何か、途中で諦めるの格好悪い的な何かがあるらしく、リース側のご両親とはちょっと距離が出来ちゃったんだよな。


 身内にそんなのが居るのが恥ずかしいうんぬんかんぬん。


 リースもこれにはプンプンしてて、両親と没交渉なのはしょうがないと諦めている。


 ここで子供の味方しないで何が親なのか!

 寧ろ、もう危険な目に遭わないと思うと嬉しいまである!!


 って宣言してたからな。自分の親に。

 …偶に熱いのよ、家の嫁。

 マジそう言うとこラブいのよなぁ(惚気)



 …そんなこんなでウチの子ら、嫁を諦めてるって言うんで、どっかから調達出来ないかな?って思ってる今日この頃の俺ではあるのだが…これが世に言う“お父さん、ウザイ”だったら嫌なので実行には未だ移していない…。


 これが果たして英断なのか、はたまたヘタレただけなのか……実行するのかしないのか、迷走中なう。





「…どうすれば良いと思う?」


「俺にわかる訳無いだろ」


 と言う会話がこっそりとあったとか、無かったとか。

 


 (↑相談相手がイチの時点で、マジで迷走中)

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