第11話


前前世では、散々“情報命”精神叩き込まれてたけど。


こんな一般平凡農民には必要無いかなーって思ってて、今世では一切何の情報も仕入れてなかったのが今回の騒動の主な原因だって言われたら……。

反省せざるを得ない。


「寧ろ、平民だからこそ必要だろうに」


「只でさえ、無力な立場だろうが」


えー……何か……。

いや、勿論反省はしてるんだけどぉ〜…。


ボスや1兄が、すんごいまともな大人の人みたいな事言っている事実に違和感しか感じない俺が居るぅぅ……。


「聞いてんのかいっ!」


「いや、これは聞いてない時の顔だ」


わぁ〜〜、1兄、以前はボス以外は眼中にありませんってスタンスだったのに…意外と皆を見てたって事?な発言かましてて、これにもビックリしちゃうなぁ!


しかも、その通り過ぎて笑えないのよ。


はいっ!ごめんなさい!!

だから拳骨はちょっとっっっ


ゴインッ!!!


……大きいのを頂きました。

記憶よりも痛いかもしれない…涙目。





———……いや、まさか。

今の時代、魔道具がそんな事になってるとは思わないじゃん。


「えー…何でそんな退化しちゃったの?」


発展しとけよ、異世界。


「……はぁ。そもそもあの時代も、そんなに魔道具が普及してる訳じゃあ無かったんだよ」


「え」


そんな訳。


「…良いかい?私はあんたのお察しの通り、日本人の記憶がある訳だ」


はい。


「あんたもそうだった様に、日本人にこんな辺鄙な生活耐えられる訳ないだろう?」


うんうん、それはおっしゃる通りです。


「だから。日本の記憶を駆使して住み易い様に、じゃんじゃんじゃぶじゃぶ、稼いだお金を注ぎ込んで、私が作らせてたんだよ」


「…えーっと、つまり?」


「アジトにあった魔道具こそが、最先端だったんだよ」


「えーーーっっっ!!?」


衝撃の事実!!

そんなの聞いて無いんだけど!?


「そんな中、抱えてる研究者が1人を残して全員で亡命謀りやがってっ!!」


あ、何か思い出しブチ切れしてる。


「しかも、その成果全てを自分達のものにしやがった恨みは一生、忘れないよっ」


ボス、ぐぬぬ中。

それを見る、1兄の蕩けそうな顔が理解出来ない。


今、別に可愛い場面じゃないだろ。

…良い子はお口にチャックだから言わないけども。


「その研究員達は?」


当然、殺っちゃったんだよね?


「いや、殺さなかった」


それは珍しいな。

裏切った上、逃げたのに?


「私は魔道具が欲しかっただけで、名誉とかはどうでも良かった」


「当時、俺も殺す事を進言したけど…ボスは技術が発展するのを優先したんだ」


ぐぬぐぬ中のボスに変わって1兄のフォローが入るけど。

…今現在、退化しちゃってるらしいんですけど?


「ふんっ、今なんて知るかい!まだまだ欲しい物が沢山あったから、見逃して泳がせてやったんだよ!!」


物欲優先。

ボスらしい。


「で、その逃げなかった奴は?」


「はっ!逃げなかったんじゃない。置いて行かれただけさね」


「お前も知ってるだろう。リド爺だ」


「リド爺!!」


くっそ、懐かしい名前出て来たなぁ!


何か、やたらめったらパズル解くのを進めてくる爺さんだったよな!

皆は割と、煙たがってたけど。

俺的にはパズル、楽しかったから暇つぶしで良く遊んでたんだよなぁ。

ついでに爺さんとも、仲良く喋ってた。


「あいつらにとっては口うるさい、目の上のたんこぶだったんだろう」


「ボスは道具が手に入れば何でも良かったのだが…某国に逃げ込んだあいつらが、リドとお前を目の敵にしだして話が拗れた」


「…へ?何で、俺??」


「良いからお前は最後まで黙って聞いておいでよ」


手をひらひらされて、あしらわれる。

はい、黙ってお聞きします。


「お前がパズルだと思ってたのは、魔道具を作る過程で必要な…何かしらの工程作業だった」


えー…それは知らんかった。

いやでも、簡易版ではそんな工程無いんだけど。


「“正式”な魔道具を作る時に必要なものだったらしい…お前が、簡易式を発明して一番喜んだのはリドだった」


へ?


「お前は、リドを真似て良く傍で遊んでいただろう。その遊びの組み合わせの1つが、本当に魔道具として作動したんだ」


…あの頃の記憶は曖昧よー。

多分、前世でいう所の“研究者ごっこ”か何かのつもりだったんだろうと予測。


俺氏、マジ幼い頃からそのアジトに居た訳だしな。


「まあ、色々あったんだが…“裏”と呼ばれた魔道具は、色々な工程や材料をすっ飛ばせる代わりに、制作できる奴は一握りだった」


「…因みに、リドは身に付けてたけどな。あっちへ逃げ込んだ奴らは、全員が習得出来なかったのはちょっと…嗤ったが」


「良い気味だと思ってたら、そいつらがこの製法は邪道だ!とか宣いやがってねぇ…。自分の技量が足りないだけだってのに……とんだ野郎共だったさね!」


ふんっ!!


と憤るボス。


…いやぁ…マジ、全然知らない事だらけなのですが。な、俺。


「はっ、ポンコツ!」


…1兄の今日一番の良い笑顔、無駄に頂きましたぁ〜な1日だったのでしたぁ〜。


話の続きは明日ね。


……ちょっとぷうっ、と頬を膨らませた嫁が迎えに来たからね。


いやいや、ボスに目移りとかしませんって!

まあ、1兄も美丈夫さんだし、本気で心配した訳では無さそうだったけれど。


でも、ちょっと妬いてくれた模様。

ぎゅ、としてチュッチュして、ご機嫌取りしました。


もうっ、本当に可愛いんだもんなぁ〜〜デレデレ。




























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