出会ってから。
第5話 上から目線のお下劣ソムリエ。
週が明けても、私は特に何もしない。
二葉にも三橋がどうだのと言わない。
二葉は教室が隣り合わせの日は廊下に行き、五代と会い、教室移動の時にはわざわざ遠回りをする。
私はPCの前にいち早く到着し、いち早く作品作りを始めたかった。
それなのに、更に週が変わる頃、二葉は未だに川越の時の事を根に持ち、愚痴を言ってきた。
蒸し返されて嫌だったし、「私は元々ポートフォリオに使いたい写真を撮りに行く」って 言っていた事を出して黙らせた夜。
新規メッセージが入ってきた。
相手は細マッチョ五代。
何事かと思ったが、これ以上のヤキモチ案件と面倒事はゴメンなので、放置一択だと思ったが、あまりにも[あれ?設定で表示されないのかな?]、[グループだと少しまずいんだよな]なんて入ってくるので、気になってメッセージをみると、既読の通知が届いたからか、[良かった。既読がついたね。二葉のヤキモチが酷いんだ。ごめんね。これ以上何もないとは思うけど気をつけて]とあって、全てを読んで私は冷静ではいられなかった。
[お疲れ様。五代です。なんか二葉が、アカネが六木さんにアタックしてフラれたって言ってたんだけど本当?何でも話す仲のアカネからは何も聞いてないんだ]
三橋と二葉はいまだに繋がっている。
理由なんて知らない。
その事実だけで十分だった。
[気にしてくれてありがとう。二葉はメッセージアプリとか、スマホの中身を見たがるから、これ消しておいて]
そう送って私のメッセージからも五代の部分を削除する。
まあ、私のメッセージを見る事はないだろう。
それでも二葉は、かつての彼氏に「愛があればスマホ見せられるだろ?」と言われて、スマホどころかさまざまなモノを見せる羽目になり、それを覚えた二葉は、それをもって愛を試すようになった。
いつかタイミングを見て三橋の事を聞いてやろうと思っていると、早速4人で出かけないかと声がかかる。
「無理」
「え〜?なんで?コウとの事なら許してあげるから」
あげるから?
何様だ?
馬鹿じゃないのか?
「違う。三橋が来るの嫌なんだよね」
この意見には、ふた通りの意味がある。
三橋が未練がましく二葉のそばをうろつく事、もう一つは告白された事。
二葉はそこら辺がわからない。
単純に告白の事だと思ったのだろう、ニヤニヤと笑うと「え〜?何かあったの?」なんて聞いてきた。
「何かって何?」
「もしかして告白されたとか?」
睨みつけると一瞬身じろいだ二葉。だが二葉はすぐに顔を戻すと、「怖い顔しないでヨォ〜」なんて言ってくる。
「別にしてないよ。なんで告白なんて思ったの?三橋は二葉の事がまだ好きで、川越でもずっと二葉と五代くんの邪魔をしてたよね?私に接点ないよ」
この言葉にまたニヤニヤ顔の二葉がドヤ顔で言った。
「アッくんは彼女が欲しいって言って、川越で私に再度告白したんだよね。勿論コウがいるからお断り。でも1人は嫌だってわかるし、可哀想だから、私が翠をオススメしてあげたんだよねぇ〜」
「は?」
これには唖然として、怒気も何もなく、正に鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたと思う。
「ほら、翠ってずーっと彼氏作らないじゃん?オトコを知った方がいいと思うんだよね」
大きなお世話だ。
逆にお前を見ていると、恋だの愛だのが薄っぺらく思えて嫌になる。
「アッくんは乱暴なだけの武史や、心配そうに気持ちいいかを何遍も聞いてくる、うるさいヨシノよりマシだよ。アッチだけならコウよりマシだから保証してあげるよ」
この言葉が一番気持ち悪かった。
全員顔を知っている人間だ。
あの生理的にもありえない高寺武史。
穏やかそうな見た目のヨシノ。
そして三橋と五代。
気持ち悪かった。
そしてそれは、テレビでワインをグジュグジュと口の中でやって、吐き捨てて「芳醇な香りが」なんてドヤってたソムリエの人が見せた顔に似てた。
二葉が裸で男達をベッドの外に放り出していて、私に向かって「三橋にしなさい」と言ってる姿が何故か頭に浮かんだ瞬間。
吐き戻しそうになった。
「気持ち悪い。やめて。もう遊びに誘わないで」
私は教科担任に吐きそうだからトイレに行かせてくれと言ってトイレで吐いた。
吐いた時に、朝飲んだ葡萄ジュースが出てきてしまい、それがまたソムリエを連想させて、ソムリエから二葉になり、再度吐いた。
気持ち悪い。
男の品評なんて真平ごめんだった。
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