1-18【退院】(2)

帰りは承太郎じょうたろうくんがいつものように送ってくれた。


なんかあんなことがあった後だからちょっと緊張する。



けどもう会えないを撤回しないと!



「それでお前思い出したんだろ?」


今日は承太郎じょうたろうくんの方から話しはじめた。



「思い出したって?」


「『あの星』の話。」


「『あの星』の話って!

承太郎じょうたろうくんも思い出したの?


ほらっ!やっぱり仲間じゃない!!」



承太郎じょうたろうくんとまた会えるって浮かれててすっかり忘れてた。 



「あぁ少しな。

それで、今までお前のこと突き放すようなこと言ってすまなかった。


勝手かもしれないけど、

これからはお前に協力するから」



えっ 

ってことはずっと一緒にいてくれるってこと?!



「じゃあ一緒に仲間を探してくれるの!!」 



よかった。これからも承太郎じょうたろうくんに会える

なんかうれしくて涙が出た。 



「は?泣くことか」 


「だって・・・本当にもう会えなんじゃないかと思ったんだもん」



「あれは、ごめん」 


承太郎じょうたろうくんが素直に謝った。



承太郎じょうたろうくんが素直に謝るなってなんか気持ちわるぅ~」 

わたしは笑いながら言った。


「はぁ?気持ちわるってなんだよ」



「あはは、うそうそ」


「相変わらず泣いたり笑ったり忙しいな」



「はぁ~?なんか言いました?」 


こういうやり取り嬉しい




「あぁ。それでお前に合わせたい人がいる」



「合わせたい人?」

キャーなにそれ~まさかご両親??



「俺の祖父なんだけど、祖父も『あの星』の記憶を持っている。


この間急に呼び出されて、その話をされた


俺達を含めて仲間が12人いるらしい、それを集めろって」



おじい様・・・

両親を通り越しておじい様・・・。



「記憶があるってことは

おじい様も仲間ってこと?


でもわたしの夢にはまだ出てこなかったなぁ」 



「あと柚希ゆずきもそうだ!記憶がある。」



「あぁ柚希ゆずきちゃんは承太郎じょうたろうくんの妹だった。

『あの星』では柚希ゆずきちゃんとわたし親友だったんだよね~

なんかへんな感じ・・・・」



「それで今週の土曜日にでも一緒に来てくれるか。

ここから1時間くらいの山のふもとにあるんだけど」



「わかった」


なんか色々進展がありそうだ 



「そう言えばポチ今日はいないんだなっ」



「そうなの、最近ちょくちょくいないことがあるの、

どうしようこのまま消えちゃったりしたら・・・」



「多分爺さんの所だ、

ポチは爺さんのところなら自由に行けるらしい、

人間の姿にもなる」



「そうなの?!」



あっという間に家に着いてしまった。


もっと一緒に居たいな



「土曜日ここまで車で迎えに来るから

・・・それからポチには気を付けろ。」



「気を付けろって?どういうこと?」



「まだよく分からないが、つじつまが合わない事がある

ポチが爺さんの所に頻繁に行ってることも気になる」



「んん・・・何をどう気を付ければいいんだ?」



「まだ何がどうってことは分からないから


信用できないってことだけ覚えておけっ」



「わかった。送ってくれてありがとう」


なんかやっと私が望んでいた高校生活がやってきそうな予感。





やっぱりあいつの記憶に爺さんは出てきてない。


まだ思い出していないってことなのか?・・・


ポチは頻繁に爺さんのところにいって何してる。


それに何故ポチは爺さんと会ってることあいつに言わないんだ。

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