1-18【退院】(1)

わたしは3日間熱にうなされて

4日後に熱は下がり目が覚めた。



わたしが眠っている間

承太郎じょうたろうくんが毎日お見舞いに来てくれたって


ママから聞いて嬉しかった。



そして目を覚ましてからも来てくれていた 


会いたかったけど・・・ 

何日もお風呂に入ってない状態で会うのなんて絶対に嫌!


だから面会は断っていた。


回復が早く検査の結果も問題なくて

6日後には退院

翌日には登校できた。


試験に関しては先生と相談し、後日受けることができて


一週間のブランクがあったけど

何とか満点取れた!


その報告と退院祝いを兼ねて4人で会うことになった。



お詫びにと承太郎じょうたろうくんが素敵なお店を予約してくれた。


なんのお詫びだ??・・・



テーブルにはおいしそうなイタリア料理が

席に着くと


「とりあえず乾杯だな」

つかさくんが言って乾杯した。



そしてわたしは


「大変お騒がせしました。

みんなお見舞いに来てくれたって、ママからきいたよ。ありがとう」



「よかったよ元気になって

俺がちゃんと承太郎じょうたろうに説教しておいたから!」


「そうそう!つかさくんめちゃかっこよかった~」



「説教って?」


「熱出たのは承太郎じょうたろうのせいだろっ!」



「そうだ思いだした!

試験前日に告白もしてないのにふられたんだわたし!」



「・・・おいっお前ら言いたいこと言いやがって」


「ほんとのことじゃん!」



「別にふったとかそういうことじゃないだろっ」 



ほっぺを膨らませてみた。


でも本当はそんなことどうでもよくて

また会ってくれることがうれしかった。



承太郎じょうたろうはいつもそうだよな、ほんとの事をうやむやにして

周りを傷つけてるんだぜっ!」



つかさっお前なっ!」



「まーまーまー喧嘩しないでよ!

今日はしずくのお祝いなんだから 


結局やさしすぎるのよ承太郎じょうたろうくんはっ

人を傷つけないようにしようとして


結果傷つけちゃってるんじゃない?」



食べ物をとりわけながらあかねが言った 



「・・・・」


承太郎じょうたろうくんが無言・・・図星なのか? 



「まーまー いいよもう

今日は承太郎じょうたろうくんのお詫びなんでしょっ 


美味しいもの食べれるって楽しみに来たんだから

食べよっ食べよっ」


「そうね。たべよっ」 



わたしはこれをチャンスに 

もう会わないって言うの撤回してもらわなきゃ 



わたし達は、学校のこと話したり、

冗談言ったり、大笑いしたり

楽しい時間を過ごした。 



あーなんか美味しいものがいっぱいで幸せ~

承太郎じょうたろうくんはいつもこんな美味しいもの食べてんのかな~


普通に話せて、普通に笑って、今日はとても楽しい



「私ちょっとトイレ行ってくる」


「しずく待ってわたしも行くっ」



「なんか今日、承太郎じょうたろうくんと普通に話せてよかった」 


承太郎じょうたろうくんももう会わないって言う雰囲気じゃなさそうじゃない?」 



「そうかなぁ~ でも結構あなどれないんだよな~ 

承太郎じょうたろうくんていまいち何考えてるんだか分かんないでしょっ 


それに比べたら、っていったらあれだけど、

つかさくんは分かりやすくていいよね」 



「そうだよね・・・分かりやすい・・・ 

だから私気づいちゃった!」


と唐突にあかねが言い出した



「何を?」


つかさくん、柚希ゆずきちゃんのこと好きなのかもしれない・・・」



「えぇぇっ!何?どういうことぉっ??」 



「なぁ~んとなくだけど、承太郎じょうたろうくんに対して

あんなにムキになって怒ってるの見てそう思った。」



「あぁでもさっ、もしそうであっても、

昔の話だよきっと


つかさくんの方から付き合おうって言ったんでしょ

今付き合ってるのはあかねなんだからさっ!」



「うん。気にしてないけどねっ」


あかねは明るくそう言った



「でも、何かあったら相談してねっ! 

あかねにはいつも助けてもらっているから!」



「ありがとっ!」

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