第4話 属性変化
私はこの森の中にあるという
マーリンさんの隠れ家の近くに来た。
でも、木しかない。
ちょっと開けた場所だと思ってた。
【おいマーリン。ほんとにこんなところにあるのか?】
狼さん…じゃなくて、
エルがマーリンさんに聞いた。
「あるって言ってるでしょー?にしても、フェンリルであるあなたが、感じれないのかなぁー?野生の勘ってないわけ?」
あっ、マーリンさんが煽った。
【あ?もしかしなくても喧嘩売ってる?お?やるか?】
エルが乗った。
ってか、乗っちゃダメだと思うけど。
「木の上だよ。ほら、ツリーハウス。」
その視線の先の一本の巨木にお家が引っ付いている。
「わぁー。」
【おー。】
2人揃って声が出た。
「全然泊まってって良いからねー。」
泊まってって良いらしい。
【んじゃ、泊まり込みで練習だな。】
エルが言った。
「え、エルは野宿ね。」
あ。切り捨てた。エルさんご愁傷様です。
【いーやーだぁ!私だって女の子なのぉ!!!】
へー。エルって女の子なんだぁ。
「属性変化ってどんなのですか?」
気になったので聞いてみた。
「んー。説明するのが難しいから、ちょっとだけ属性変化やってみよー。」
急に実行に変わった。質問が。
外に出ないといけないよね。
そう思い、外に行こうとした。
「あっちょっと待って、作るから。」
マーリンさんがそう言ったので待ってると、
突如、四方と上に壁と屋根みたいなのが展開された。
「わわ、なんですかこれ?」
質問すると
「これは、結界術だねー。お友達が専門で、教えてもらったんだー。」
これは結界術っていうらしい。
なんか。作れそうな気がしてきた。
なんかマーリンさんが結界の調整してるから、
その間再現してみる事にした。
まず、魔力を薄くして、ミニチュアくらいのサイズに状態変化させるでしょ?そしたら、マーリンさんの魔力の使い方を真似してー…。
でっ、できたかも!
「あっ、イアできたぞー。ってか何してたんだ?」
マーリンさんが聞いてきた。
「結界術を真似してました。こんな感じですかね?」
見せたのは、手のひらサイズの薄くて硬い魔力で壁と天井を作りくっつけただけの正四角柱に、完全魔力製内部に私の魔力を満たした簡易的な結界。
「え?あっ。え?ちょっとエル?結果術とか教えてないよね?」
【専門外のことなんか教えられるわけないだろ?】
下から返事が帰ってくる。
「あっ。割れちゃった。」
気を抜いた瞬間に結界が破れてしまった。
あー。残念…。
「それじゃあ、属性変化、おしえてください!」
長くなりそうな気がしたので、話を切り替える。
「えぇ。わかったわ。まず、属性変化は、基本の5属性と、その他の血統属性に分けられるわ。基本の5属性は、火・水・風・地・光の5つと邪道と呼ばれる闇、
聞いたことがある血統属性は、磁力属性・重力属性・砂属性・熱属性ぐらいかなぁ…。あとは…伝説上だと、核熱属性?とか、氷熱属性?だね。
あとは、精霊魔法とかだけど、たぶん、気にしなくてもいいわ。」
「分かった!それで、具体的に特訓ってどうするの?」
一番気になっていたことを聞いてみる。
「そうね。魔力を体にためるっていう特訓と、魔力を体にまとわせる練習。それを、属性変化させていけばいいわ。」
「わかりました!ししょー!」
そう言って離れる。
「今日はもう遅いから明日からだからねー?」
声がかかったのではーいと返事をしてから、
貸してもらったベッドに入り、睡眠につく。
ベッドで寝るのなんていつぶりだろうか。少なくとも捨てられる前だ。そんなことを考えていたら、深い睡眠へと私はいざなわれていった。
【寝たか?】
「えぇ。寝てるみたい。にしても、あなたからくるなんてね?」
マーリンが話すのは、白銀の耳とおんなじ色の髪を腰まで伸ばした高身長な女性。
イアがみたら間違いなくびっくりするであろうから、普段は狼だが、小神主以外の人間と話すときは、脳に語り掛ける念話が使えないため、人化するしかない。
そう、この女性。エルである。
【悪いな遅くに来て。】
「やっぱりイアのこと?」
【じゃなきゃこねーよ。】
軽口叩けるくらいにはやっぱり仲は良いのかも。
すると、エルは一転して真剣な表情で聞いた。
【精霊魔法のことはやっぱり言わねーんだな。】と。
「言えるわけ無いでしょ?精霊が一切ついてないんだから。」
精霊魔法はエルフ専用の魔法の亜種のようなものだ。
自然の属性精霊に自分の霊力を分け与えて使役することで
魔法のように現実に具現化できる。
イアはエルフだ。
でも、精霊が見えない。
代わりに魔力総量がおかしい。
【魔力のせいかねぇ?やっぱり?】
「そうでしょうねぇ。
おそらくは霊力ではなく魔力を持って生まれたせいで迫害の対象になったのだと思うけど。」
「【……】」
【んま、4大賢者の大老さんと、俺がいたらなんとかなるさ。俺等が守るさ。】
「ふーん。あなたが守るなんて言葉を使えるようになったなんてね。」
【うるせーぞ。私だって召喚主が心配なんだよ。まだエルフって言っても60年から70年くらいは生きてるだろうが、まだまだ幼少期だ。知ってる技術も知識も少なすぎる。】
【…んま、守ればいいか。】
「一応、最強ですから。」
【くふふ、まちがいねーな。】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます