第3話 新たな出会い

(???)

「うっわぁ…何あの魔力量…」

凄まじい魔力の波動を森の方から感じた。

さっき倒した子供攫いが言っていた、

森へ逃げた無詠唱の子が逃げた方と一致している。

「死なれたらやばいなぁ…。」

そう言うのは建前上のこと。

本音は、すべてが自分のようにできる継承者が見つかるかもしれない…。

これまでどんな子でもできなかった

自分のすべてを更に発展させることができる子かもしれないと。

そういった期待と不安が混じっている。

「行くかぁ。」

伊達に賢者と呼ばれているわけではないと勝手に思っている。

状態変化の魔力制御はあまり得意ではないが、

属性変化の方は得意だと思っているし。

属性変化で魔力に風属性を付与し、状態変化で固めるというか、

風圧みたいに後ろから体にぶつける。

体はピンポン玉みたいに吹っ飛ぶ。

が、風属性の魔力で上昇気流のようなものを発生させ、バランスを取る。

若い頃は風属性でよく飛んでいたが、今じゃ怪我が怖くてできやしない。

やるとしても滞空するくらいだ。

「おぉー!久しぶりに空を歩いたわぁ!」

鼻歌交じりに歩いていく。

あれ?何しに来たんだっけ?

あっ人探しだそうだった!

「よっし!そろそろ探すかぁ!」

気分切り替え探していく。

「んーとエルフの女の子…女の子、おんn」

瞬間的に轟く爆音。

なぎ倒される木々にここまで上がってきそうなレベルの土煙。

「ほわぁああ!!!!???なになになに!?……あっちか!」

飛んできた方向に行ってみる!



(イア)

やばい。明らかに加減を間違えた。


【えーっとぉ…私…いります?】

狼さん凹んでるし。

「いるし、教えてもらわないと困るよ?」

【でもぉ…あんだけできればほぼ合格ですし…ってか槍の形はどこで覚えたんですか?】

うーんと…

「襲われたときに、炎の槍が飛んできたから、それを真似してみたんだぁ」


【襲われる!?誰にぃ!?】

あっ言ってなかったっけ?

これまでの出来事を簡単に伝えてみた。


【それは…まぁ…なんというか…】

「大変だったね。」

誰かが茂みから出てきながら言った。

「どっどど、どちら様?」

【うわぁ怖がられてるー  クスクス】

「笑ったなぁ!犬っころぉ!」

【犬じゃないですーフェンリルですー……ってマーリンじゃねーかぁ!?】

「あんたは犬ですー……ってエルじゃないかぁ!?」

ちょっと待って?展開についていけない。知り合い?

「あのー…お知り合いです……か…?」


【知り合いというか…】

「腐れ縁っていうか…」

【はぁ!?こいつと私が腐れ縁!?】

「嫌なのかよ!?」

【嫌だよ!!!】

「悲しくなるだろうが!」


「あー…えっと…仲…い、良いですね…。」

「【そんな訳あるか!】」

「【ってか被せんな!】」


仲いいじゃん。

「んで、なんで居んの?」

マーリンさんが狼さんに言った。

【いやー…召喚…されちゃって…】

「だっ誰が!?」

びっくりしてる…。

「私…です…」

「うっそ召喚!?フェンリルを!?魔力は!?」

マーリンさんに詰め寄られた。

圧が。圧がすごいわ。

「えっとぉ…よゆーですね。」

「ばっ…化け物ぉ!!私でも無理なのにぃ!」

マーリンさんが引いてる。

私が可哀想。

【この子基礎魔力量私より多いからねぇー…。】

「うっそぉ!?エルより!?」

狼さんはエルという名前らしい。

【んで、私が魔力制御を教えてるの。もう私いらないくらい上達しちゃったけど。】

「あの木々は、イアちゃんがやったんだねぇ…。」

その目線は哀れな木々に向けられている。

「よし。私が属性変化をおしえてあげる!」

【はぁ!?マーリンにうちの娘は渡さねぇぞ!?】

「そもそもあんたの娘でもないでしょう!?」

「私はねぇ、継承者がほしいのよ!!」

【うるさい70代後半のおばちゃん!!】

「はぁー!?まだ70じゃないしー!!ピチピチな60代ですしー!!!」


もうあれきりがないや。

「じゃあ、二人に教えてほしいです!」


「【おっけー!】」



「【って被せんなぁ!】」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大丈夫です。私はちゃんと中学生です。知識がねじれてる系中学生です。

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