第19話 椿
椿は、
母が再婚していて、きょうだいがいることも知らない。
椿は、発達障害があり薬を服用していた。
椿は、すごく可愛い顔した女の子らしい子…
施設では、親が買って貰った服を着るか…
年に2回ほど、買って貰える服を着るか…
寄付で貰った服を着るしかない。
椿の親は、基本何もしてくれないから…
椿は、施設で買って貰える服を着るか、寄付の服を着るしかない。
買って貰える服は、職員が買って来るか…通販になる。
椿は、ブリブリの可愛い服が好きなんだけど…
それを買って貰うことは、難しい…
一度、椿と通院に行って時間が余った時に
近くの子供服の店に行ったら、こんな服が欲しいと教えてくれた。
でも、買ってあげることは出来ない。
椿だけに何かしてあげることは出来ないから…
椿は、お母さんに電話をして欲しいとよく言ってきた。
何度も、電話をしてみたけど…
母は、出たことがない。
そして、折り返しの電話もない。
いつも、寂しそうにしていた。
夜勤明けの、ある朝…
起きてキッチンで仕事をしていると…
椿と同室の子が…
「椿がお腹が痛いんだって、先生来て」
すぐ、部屋に駆け付けると…
椿がお腹を抱えて泣いていた。
すごく苦しそうだったから…
すぐ夜勤の上司に連絡をした。
救急車を呼ぶことになり…
私が付いていくことになった。
朝は、職員は私だけなので
ホームが空になるから…
他のホームから応援に来て貰った…
救急車が来て、事情を話し…
すぐ乗り込んで…病院に向かった。
私は、椿と一緒に後ろに乗り込んだ…
後ろに乗ると…
周りの様子は分からなくて…
何処を走っていたのか分からなかった。
病院に着いて、今度は医師に事情を話す。
すぐ、エコーの検査をすることになった。
その後、医師から
エコーで検査した感じ、便が溜まっているように見えるけど
はっきり見えないから、MRIの検査をしたいということだった。
ただ、それには親の許可がいると…
私は、すぐ施設の上司に連絡を取った。
上司からは、児相に電話をするように言われた。
児相に連絡をして事情を話す…
すぐ、お母さんに連絡を取ってみると言われた。
少しして、児相から電話があった。
「お母さんに電話をしたけど、出ないんです…でも、緊急事態なので…児相の権限で許可しますから、検査をして貰って下さい」
そのことを医師に伝え、すぐ検査をして貰った。
結果は、悪いものは見当たらず…便が溜まっているとのこと…
病院で処置をして貰ったら楽になったみたいで…
便秘薬を処方された。
それを、児相と上司に連絡をして…
帰ることになった。
朝ご飯も食べずに来たから
お腹が空いていた私達は…
ドラッグストアに寄って…
こっそりパンを買って、公園で食べた。
椿は、学校のジャージで…私もジャージ姿で
電車とバスに乗って帰った…
椿も、母の元に戻れる未来は、おそらく無い…
だからこそ、強く生きて欲しい。
母の愛情が欲しくてたまらなかった椿…
いつか、誰かの愛情を受けて…
幸せに暮らせますように…
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