逃げろ!

 奴らはいきなりこちらをギロリと睨むと、一斉に空を飛んだ。ジェットパックをつけてやがった。


「どうなってる!奴は一人だったんじゃないのかよ。なんで同じ奴が何人も居るんだ」


 俺の怒りはやつには関係がない。空を飛んだ一人がバーズカを撃つ。軍用のやばい奴だ。俺が乗ってきた宇宙船を一撃で吹き飛ばす。


 「ローンがまただ残ってるんだぞ!!!弁償しや…」


 集中砲火、マシンガンやら火炎放射器やらの攻撃が飛んでくる。だが俺には届かない。


「携帯シールド起動。稼働可能時間残り40秒です」マルスが淡々という。


「すぐにテレポートだ!計算は任せる!」


俺は奴らから走って逃げながら怒鳴る。


「大きな声をださないださい。計算完了まで残り38、95秒です」


 ギリギリすぎる!攻撃は止むどころか激しくなっているのに。


「シールドの耐久度が急激に減少しています、少しは反撃してください」


クソッタレ!


 防いだ攻撃の反射でほとんど見えないがビームピストルを連射する。当たってんのかこれ?


 奴の一体が距離を詰めてきた。ブレードで殴り掛かってくる。対シールドの奴だ。だが俺の早打ちの方が早い。頭を吹き飛ばしてやった。


「まだ死んでいません!もっと撃って」


「クソ!こいつらロボットだ」


 生身の人間じゃない。だから交渉の時はあんなに弱かったのか?死んでもいいから確認も雑だったのか。


くそ、今はそんなこと考えてる場合じゃない!


「あと10秒です!」


「どっちがだ!シールドかテレポート」


「シールドはあと5秒で消えます」


「じゃあ俺はハチの巣じゃないか!計算はしなくていい。今すぐテレポートしろ!」


「それだと・・・」


「いいから!」


 シールドが消えた!弾が俺の体にかすめる感覚が来る。しかも全身にだ。



 その瞬間馬鹿みたいに静かになった。テレポートに成功したのだ。


・・・なんだ、この浮遊感。


その瞬間地面に叩き落された。


「それだと、地面に激突したり、超空間に取り残される可能性がありますが」


「くそ、よくわかったよ」


全身が痛いが痛みは生きてる証拠かもしれない。


とにかく逃げれたが、これからどうしよう。


つづく


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