あついあついなつの悪夢

 白い耳鳴りがしそうなほど白い空間。

 足場であるべき地面は次々と

 回転プレス機に変わっていく…


 残されたのは小島だけ

 男と女、そして、私だけがそこに居る。


「これでいいでしょ!助けてよ!」


 と白い布を何度も何度も丁寧に畳んでも、


「いいえ、助けられません。」と女は首を振る。


 見えない手に掴まれて、

 私は回転プレス機に落とされる。


 落っこちた黄昏のオレンジの工場で

 あまりにもでかい男に高笑いしながら殺され、

 自分の返り血が男に着くのをみて、



 やっと、目が覚める。

 涙を流しながら、怯えながら、

 ぬいぐるみを抱きしめて、

 家族の元へ逃げるように駆け出した。

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