第13話
「メリア嬢、それでよろしいか?」
『そちらで構いません。アレス王子殿下、先に申し上げますが、私の覚悟は並大抵のものではありません。長い年月をかけたのですから。』
お父様方はなんのことか分からず首を傾げていらっしゃるが、アレス様はニヤリと口の端をあげて私をみる。
「それはどうでしょうか。あなたの努力を無駄にしたくはありませんでしたが、私に興味を持たせてしまった以上これは、あなたのミスですよ。」
あの時の自分恨む。何故ちゃんと人がいないか確認しなかったのか。本当にあの時の自分を恨む。
『フフフッ、これでも一国の王の娘。簡単に落ちると思わないでください。』
起こってしまったことは変えられません。正々堂々と差し出されたその挑戦状、受けて立ちましょう。
絶対に負けたりはしませんが。
「ハハハッそれはどうかな。長年私の婚約者であったあなたならわかるでしょう?私が簡単に諦めると思ってもらったら困る。覚悟してもらおうか。」
『フフフッ』
「ハハハッ」
口では笑っているが、2人の瞳には笑顔のかけらも浮かび上がらない。
代わりにあるのは、お互いの闘争心のみ。
状況を掴めないお互いの父親が見たのは、笑顔の2人の間になぜかある火花のみだった。
この時、この場所から2人の運命の歯車が動き出す。
今まで絡み合わなかった2つの歯車が長い年月をかけて再び交じり合うのか…
夢のため婚約をしたくない王女とそんな彼女に興味を持った王子の壮絶で美しく、甘く。そして、ちょっぴり感動するこれはそんな彼らのストーリー
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