第12話
アレス様はドアをノックすると、今度は返事を聞くことはなく、アレス様は部屋へと入っていく。
「アレス、聞きたいことは聞けたかい?」
リュンヌ国王陛下は部屋に入ってきた私たちを見るなりアレス様に声をかける。
「はい。」
「そうか。それで、これからどうするんだ?」
次は私たち2人に目線を向けながらお話になる。
アレス様が代表して、リュンヌ国王陛下にお返事するようだけど何をお話になるんだろう。
先ほどの雰囲気といい嫌な予感がするのは気の所為でしょうか…
「婚約は破棄させて頂きます。ですが、私としてはこれからも婚約者として共にしたいと考えておりますので、求婚する機会を頂ければと思います。」
『お待ちください!!婚約を破棄したいとお話になられたではないですか!!』
「この前までの話です。ですが、先ほどのお話と婚約破棄した後のあなたの行動を見て間違いだと気づいた。だから、今回婚約破棄をしたとしてももう一度あなたとの関係を戻したいと考えている。」
私の方を真っ直ぐに見つめ、今の考えをお話になる。嫌な予感が当たってしまうとは思わなかった。
「ですので、父上、我々の婚約は一旦破棄します。」
一旦??
『一旦…』
まさかの展開に小さく呟く。
どこで間違えてしまったのでしょうか。望んだ結果にはなったけど、別の問題が新たにできてしまった。
「あなたは先程、自分で婚約者を見つけそして幸せになりたいと私に言いましたね?ならば、これからあなたが私と幸せになりたいと思えるよう頑張りたいと思います。」
ここ数年あまり見てこなかったアレス様の笑顔をまさかこの場で見るとは思わなかった。
アレス様のお話の間黙っていたリュンヌ国王陛下がさらに問いかける。
「それで、もしメリア嬢の気持ちが変わらなかったら。」
「その時は諦めます。ですが、そのようなことは起きないでしょうが。」
そう言い私の方を再度見たアレス様は自信があるように見えた。
必ず婚約が再び結ばれるそんな未来が見えているかのように…
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