第7話
「今回はメリアとアレス殿の婚約破棄を正式にしようと思ってな。」
「婚約破棄?」
「あぁ、そうだ。昨日メリアがアレス殿から婚約破棄の申し出があったと聞いている。まだ、報告は来ていないのか?」
「すまん。昨日は城を開けていて、まだ息子にもあっていないんだ。アレスを呼んで詳細を聞いてもいいか?」
「私は構わんが…」
歯切れの悪い言葉と共に、お父様は私の方に視線を移す。私は大丈夫かという確認の視線でしょう。
『わたくしは大丈夫です。アレス様をお呼びください。』
「そうか。アレス殿を呼んでも構わない。」
「助かる。」
お父様の言葉を聞くと、リュンヌ国王陛下はアレスを様をこの部屋に呼ぶように使用人に言い渡した。
数分後、予想よりも早くアレス様が私たちのいる部屋のドアがノックされた。
「アレスです。」
「入れ。」
了承の言葉を聞いた瞬間アレス様が部屋に入ってきた。アレス様は入って来るや否や私たちを視界に入れると驚いた表情をされる。
確かに私がここに来るのは珍しいことではあるけども。
「お呼びでしょうか。」
「アレス、私に報告することは無いか?」
「この状況から見るに婚約破棄の件かと思いますが、今一度彼女に確認したいことが出来た為、その確認の後に父上に報告しようと思っていた次第です。」
確認したいことって・・・???
「そうか。」
「はい。少し彼女と外で話してきてもよろしいでしょうか?」
「私は構わんが、メリア嬢はどうかな?」
私に確認をしてくださるが、拒否権があるわけではないのでしょう。
話って言っても、私から話すこともないからすぐ終わる感じがしますし。
『私は構いません。』
お父様がとても心配そうな目で見ていますが、気づかなかったことにしましょう。
「ありがとう。それでは行きましょう。」
『ええ。お父様行ってまいります。』
「ああ。私はここで少し話をしている。ゆっくり話をしてきなさい。」
お父様の言葉に頷くと、アレス様のエスコートのもと部屋を出た。
***
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