第6話
お父様と共に馬車に乗り込み、そのままアレス様のお城へと向かう。
数時間の時間をかけて、到着すると事前にお父様が話を通していたのか城の人間が驚く様子もなく中へと通してくれた。
お父様のエスコートの元馬車からおりるとタイミングよく、アレス様のお父様の側近が近くへ駆け寄ってきた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ。」
「あぁ、行こうかメリア。」
『はい。』
お父様の少し後ろを歩いて案内されるままについて行く。
国が違うので仕方ないこともあるが、お城の雰囲気が全く異なっている為か何度来てもここは落ち着かない。
「こちらで少々お待ちください。」
案内された客間で、使用人がお茶を用意しているのを暇つぶしに眺める。入れて貰ったお茶をお父様は平気で飲んでいるけど、私にはそんなことは出来ない。
お父様にとっては、旧友が治める国ともあり信頼のあるのかもしれないが、私にとってはただの隣国という認識からは変えられない。
少し経つと静かに扉があき、用のある人物が入ってきた。
「すまない、待たせてしまった。」
「構わないさ。こちらも急に来たからね。」
「あぁ。隣にいるお嬢さんはアレスの婚約者のメリア嬢かな。見ない間に大人になったな。」
隣にいる私に気が付くと、アレス様のお父様のほうから声をかけてくださった。
まさか、覚えているとは思いませんでしたけど。
『お久しぶりでございます。』
「本当に久しいな。で、今回は何用だ?いつもは一人で来るものの、メリア嬢まで連れて。」
まさかの私がいることに驚いているのか、すぐさまお父様に要件を尋ねた。
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