第19話

「レリア、ちょっと飛ばしすぎじゃないか?」


「ええ?だってこの子たちに何かあったらと思うと早く強くなってもらわないといけないでしょう?能力のない私に負けてちゃまだまだよ。」


「初日だからなあ…あまりやりすぎても…」


とレリアを見るとレリアの目は燃えている。

(こうなったレリアは止められないがレリアは元が強すぎるからな…。あの頃も…能力は守護の能力のはずなのに周りも見ずに剣を持ってどんどん前に出て……)

ベインを心配そうに見ながらも昔を思い出しレリアにうっとりするお父さん。

お父さんはハッと現実に戻りベインを抱きかかえた。


「クト、ベインを部屋に運んでくるからメルと何かゆっくり甘いものでも食べてなさい」


「はーい。クトは棚の中から缶クッキーを出し、お皿に入れてメルのもとへ寄って行った。」


「はい、メルお姉ちゃん。一緒に食べよう。」


「…ありがとう」


「すっごく疲れてるけど何をしてたの?」


「何を…えっと。まずは矢のコントロールを上手くなろうと…そのあとは…レリアさんとベインが疑似戦闘しだして…私も援護に入って、ベインのケガを治したり…。もうへとへと。クトのお母さんすっっごく強くてかっこいいね」


「お母さんが?」


クトはほんわかしたお母さんを見て不思議そうにみた。


「僕もお母さんが戦うところみてみたいなあ。」


「ははは。休みの日に見れると思うよ。母さんは強いぞー。クトもこれを機に少し戦闘できるようになっておくかい?」


戻ってきた父さんはニコニコしならクトに話す。


「へへへ、僕は勉強は好きだけど体を動かすのは苦手だから。」


クトは少し複雑な笑顔で返事をした。


「そうかい?毎日遠い距離を町まで歩いて往復出来ているだけでもすごいことだと思うよ。」


父さんはクトの頭を撫でた。


「へへへ。」


「お、パールもよく食べて寝てるみたいだな」


お腹を出してパール用に敷かれたクッションの上で爆睡しているパールを見て微笑み、父さんは母さんのキッチンに入り


「レリアも今日は久しぶりに沢山動いて疲れただろう」と仲良くご飯の準備を一緒に始めだした。


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Lizardill むう子 @minagi05

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