第15話

「メルは上のベインの隣の部屋が空いてるからとりあえずそこを使ってね。ベイン、案内してあげて。」

「はーい」

「ここを使って、ベッドはこのバーを下げたら出てくるようになってるよ。分からないことがあったら聞いて。」

「ありがとう。」

「騒がしくてごめんよ。」

「え?すごくいい家族ね、色々話も聞けて嬉しかったわ。これから一緒に旅をする相方の両親がリザーディルの戦士なんて、奇跡よね。いや…運命?これからパールに着いて行くにしてもやっぱり…私は逃げるしかない今の状況じゃ命がいくらあっても足りないだろうし…明日から楽しみ」

「はは。父さんと母さんが戦士だったなんて今でも想像できないや。本当に奇跡なのか運命なのか…。確かに、パール、起きてえええ。じゃどうにもならないね。(笑)」

「もお!治癒以外何もできないんだから仕方ないでしょ。」

「はははは、そうだね。僕も力をつけないと。あの絵本の通りなら、闇がこの世界を襲うのを守るためにパールが来てくれたんだよね。そして選ばれた僕たちが世界を守る。」

「そうね。イルプムのことがあったとはいえ、いまだに絵本のような…っていうのは現実味がないけど。」

「うん。でもこれから起こることが甘くないのはなんとなく体が感じてる。あ、お風呂はこの部屋のそこの扉の奥にあるお風呂を使えるから自由に使ってね。おやすみ、また明日」

「ありがと。おやすみなさい」


翌日

「おはようございます…」

メルは目を覚まし下に降りるとすでにみんな起きていた。

「おはよー!」ベイン一家が応える。

「え?私寝坊した?」

「いや、まだ早いと思うよ。町はずれだから早めに起きて家をでないとだから朝は早いんだ。」

「なるほど…」

「メルお姉ちゃん、朝ごはんはこれだよ。じゃあ僕は先に行ってきまーす。」

机には朝からおいしそうなご飯が並び、パールもまた星屑の結晶をもらったのかお腹いっぱいそうに眠っている。

「ありがとう、行ってらっしゃい」

「クト、気を付けるんだぞ!行ってらっしゃい」

母さんがクトを家の外まで見送りに行く。

「ベイン、メル、今日は母さんから色々学んで自分に合った戦闘方法を探してみなさい。」

「はい!」

「はーい。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る