第14話
「メル、そんなに豪華な食事とはいかないけれど沢山食べてね♪」
「能力を使うには体力がいるからな、たくさん食べなさい。」
父さんと母さんはメルに嬉しそうに話す。
「突然来たのに、こんなに美味しそうな食事まで…ありがとうございます♪」
そう言ってメルは美味しそうにご飯を口に運ぶ。
「久しぶりにリザーディルに会えて…こちらがお礼を言いたいくらいだよ、なあ、レリア。」
「ええ。フロウと過ごした日々を思い出すわ。またこうやってリザーディルと触れ合えるなんて夢のようよ。」
「父さんたちが絵本の中の人だったなんて思わなかったよ。それに今度は息子の僕が能力を授かるなんてね。」
「まあ。ベイン、あなたも戦士になったの?」
ベインはうなずき闇の力に動かされたイルプムと出会ったこと、その時力を授かったこと。メルの治癒能力で治してもらったことなど全て説明した。
「そう。ベインがリザーディルの戦士になるなんてこんなに素晴らしいとはないわ。それにメル…治癒魔法だけだと大変だったでしょう。」
「最初は本当にパールはすぐ小さい姿になるしどーなるかと思ったけど、ベインに会えてよかったです。それにおじさんやおばさんの話も聞けてこの先のことがなんとなく見えた気がします。」
「そうか。じゃあベインとメルがくっつけば全て私たちと同じ道を…」
父さんは子供のように嬉しそうに騒ぐ。
「父さん!父さんと母さんと一緒にしないで。今時そんな冗談言う人居ないから!メルも困ってるだろ!」
ベインはいい加減にしてくれと怒りながら父さんに話す。
「ははははは、悪い悪い。ベインが女の子といるのが新鮮で。それで、旅に出るんだな?」
「いや。町ではそれなりに誰とでも話くらいするから!…はあ。うん。パールが選んでくれたし。」
「そうだな。仕事は心配しなくていい。気にせずしっかり世界を見ておいで。」
「でも急に明日からとか言わないで、ゆっくり旅の準備をしていくのよ、メルも。ここにいる間にあなたたちの戦闘の基礎くらいなら私たちにも教えてあげられるはずだしね。パールも星の結晶をたくさん食べて体力をつけないとね。」
「「ありがとう」」
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