第12話

「そうだね。またフロウに会いたいなあ。あ、そろそろ準備ができたんじゃないか?」

「そうね」

母さんはキッチンのほうへ戻っていった。


「ベイン、絵本ってなあに?」

「これこれ」大切に飾ってある絵本を取りメルに見せた。


:リザーディルと6人の戦士:

昔、森の湖に真っ黒の美しい鱗を持つリザーディルという大きな竜がいました。

(湖のちかくにいる黒いリザーディルの絵)


この竜はとても穏やかで心の優しい竜でした。

ある時、この世界に襲い掛かる闇の力が生まれました。

(闇の大きな煙のようなものひろがる絵)

闇の力で生き物は暴れ、人々は争い、空は暗く空気はどよみ、

リザーディルはこの闇の力と戦おうとしましたが、一匹の力では難しいと考え、6人の戦士を作ることにしました。

一人には闇を浄化する能力、一人には守護の能力、一人には治癒の能力、一人には日の力、一人には大地の力。

(リザーディルを慕う6人の戦士の絵)

リザーディルと戦士たちは闇に立ち向かい、時にはなんとか闇を抑えることができました。

(リザーディルの周りには森の動物たちと人が穏やかに過ごす姿)

時がたち、リザーディルは急に姿を消してしまいました。戦士たちはリザーディルを必死に探しましたが見つかりませんでした。

そして戦士たちは徐々に力を失ったのでした。

リザーディルは闇と戦うためにこの世界に来てくれたのかもしれません。

それでも、彼らは大好きなリザーディルを忘れることが出来ず、また出会えることを願い、リザーディルとの思い出のある各地で戦士たちはいつまでも過ごすことにしました。また…またリザーディルと出会えることを祈って。

(リザーディルと戦士たちが三日月の下でくつろぐ絵)

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