第6話

ベインは黒髪の少女が夢で能力が分かったと言っていたことを思い出し目を閉じ考えた。


頭の中で真っ暗な先に光を見つけた。

その光に向かって走ると光の正体は剣だった。


スッと目を開くと手には大剣を持っている。これがリザーディルの力…

なんか頭の中で見つけた剣とは形も大きさも違う気がするけど…


「イルプム、君の相手は僕だ!」


ベインはイルプムに向かいながら大声で叫んだ。


今にも黒髪の少女とパールを襲い掛かろうとしていたイルプムはベインのほうへ振り向く。

「能力が使えたのね!」

黒髪の少女はホッとした。

ベインはさっきオノで攻撃したももの部分にもう一度、今度は出てきた大剣で攻撃し素早くイルプムの上へ飛び上がり剣を振り上げた。


〔ルミシエル〕


ベインがそう呟きイルプムの頭上に大剣を振り下ろした。

するとイルプムの頭上から闇色の煙が舞い上がってゆき、

イルプムは穏やかな顔つきになりそっと座り込み目を閉じた。


「はあ。良かった…。」



黒髪の少女はイルプムが動けなくなったところへ駆け寄っていく。

「ん?どうしたの?」

ベインは気になり少女の近くによると

幼女はイルプムのほほを両手で挟み目を閉じた。

〔ヴィフルポカルム〕

イルプムのもも辺りがほわっと光り怪我が回復していく。


「イルプムを最小限のケガで済ましたの?」


「わっ君は治癒能力があるんだ。うーん、はっきりは言えないけれど…イルプムが自身の意思で暴れていないのが伝わっていたから?かなぁ。」

ベインは考えながら返事をした。

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