第5話

「ダメなの。パールのことをまだ詳しく知らないけど、だいぶ弱ってるみたいで眠りについている時間がすごく長いの」


イルプムは話している二人にむかって容赦なく向かっていく。


「君は向こうに!」


ベインはオノに刃を反対側に構え、勢いよく向かってくるイルプムの前足をたたく。

イルプムは少し痛そうにするも、前足を上げ乗りかかろうとベインに襲い掛かる。

ベインはしゃがみ込み素早くイルプムの後ろ脚元に走り込み、後ろももも辺りを攻撃する。

ピキッ

まずい、イルプムの毛皮に隠れた筋肉が固すぎて簡単の柄にひびが入ってしまった。

オノでは戦えそうにない…どうすればいいんだ。


イルプムは少し痛そうにするも気にせずベインに向き直す。



黒髪の少女は木陰に逃げ必死に小声でパールに話しかける。

「パール!パール起きてよ。あれと戦おうとしてたんじゃないの?」


「キュウゥゥzz」


「こんな時に限って起きないんだから。」

「そうだ!ねえ!パールから何か力をもらったはずよ!何とかして!」

黒髪の少女がベインに向かって叫んだ。


「な、何とかって…どんな力をもらったのかも分からないのにそんな無茶な…。君も力があるんじゃないのか!」

「私は戦えないの!」

イルプムは黒髪の少女とパールを見つけ、二人に向かう。

「キャー!パール起きてよ!もお!」

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