第4話

「なんの光だ、なんだかすごく温かくて心地いい。」


「あなたもパールに選ばれたみたい」黒髪の少女が言う。


「どういうこと?まさか僕がその神話の戦士に選ばれたってこと?」


「うん、わたしが能力を授かったときも温かい光に包まれたから。その時は何が起こったかわからなかったけど

その日の夜夢の中で能力をもらったって知ったの」


黒髪の少女が説明していると茂みがガサガサと音を立てた。

普段は優しい生き物しかいないとはいえパールが威嚇していたのもあり、黒髪の少女とベインは顔を合わせ警戒する。


茂みから顔を出したのは大きな馬ほどの大きさをした狼のような顔つきの獣。

この森の守護獣イルプムだった。

本来は人との共存も理解してくれているのか、人前には現れることもないはずなのに

イルプムはガルルルルと威嚇し一歩踏み出しこちらの様子を見ながら襲い掛かりそうな雰囲気だ。


斧をぎゅっと握りしめ黒髪の少女の前に立つ。


「子の獣はイルプムか?イルプムはなぜこんなに怒っているんだ?普段は穏やかで人前にすら出てこないはずのに」


「もしかするとイルプムは何かに操られているのかも。少し動きがおかしいわ。パールはこれに威嚇していたのかも。」

「それで、そのパールは?」


「寝てる」


「こんな時に…

寝かすな起こせー!」

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