第33話
絵里香は21歳になっていた。
絵里香は朝ドラのヒロインのオーディションに参加するため、伊庭と夜中まで演技練習をやっていた。
その成果があったのか絵里香はヒロインの妹役に決まったのである。
舞台は京都。明治後期の大成物語である。
絵里香は京都の人間ではない。東京生まれの東京育ち。まずは方言指導に始まり、演技指導、所作や芸事の指導など覚えなければならない事が山ほどあった。
京都での撮影、東京での練習。いつも伊庭は絵里香の影となり支えていた。
ドラマが始まり、絵里香の演技は好評だった。すぐにCMの仕事が来た。
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