第74話
心結は高校3年生になった。
桜の木の下で高岡の歓迎会を含めた花見が開かれた。
暖希も誘おうとしたが、大騒ぎになると大家が言い、断念した。
「バスケ中学の時もやってたの?」
「はい。センターでした」
「それは凄い!」
瑤がどんどん話を進めて行く。
「ひょっとしてキャプテンだったとか?」
「はい。よく分かりましたね」
「しっかりして責任感も強そうだから。ねえ泉ちゃん」
「ああ、俺もそう思うよ。後敬語は使わなくていいよ」
「それ無理です。皆さん年上ですし、僕は新入りですから」
高岡は真面目な顔で言った。
「そうか。まあ、高校生だしな。そこは良しとするか」
「輝ちゃんはいなり寿司が好きなんだよね。沢山食べるんだよ」
大家はそう言っていなり寿司の乗った皿を高岡に渡した。
事前に大家から両親がいない事を全員聞いていたので家族の話にはならなかった。
「ありがとうございます」
「好きな事は何?」
「音楽を聴く事です」
「そっか。締め切り前はヘッドホンにしてくれると助かる」
「はい。分かりました」
泉野は思わず高岡の髪をクシャっとした。
「可愛いなあ、もう」
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