第75話

「心結さん、僕、やります」

心結が洗い物をしていた時に、高岡がやって来た。

「ありがとう。でも大丈夫。これは私の仕事なの」

心結はあっさり言った。

「此処では輝ちゃんの好きな事をしたらいい。お手伝い必要な時は言うから」

「はい」

高岡はそのまま2階に上がって行った。


宿題を片付けて寝ようと思った時、ドアがノックされた。

「はい」

高岡がドアを開けると、泉野が立っていた。

「まだ起きてた?夜食あるから下に行こう」

泉野に連れられて下に降りた時には、あったかい雑炊が用意してあった。

「春とはいえ、夜中は冷えるだろう」

瑤の特製とり雑炊である。

「うわぁ!美味しそうです!」

高岡は思わず笑顔になった。

そこには長谷部を除く男3人と心結がいた。

「いただきます!」

みんなで熱い雑炊を食べる。

「泉野ちゃん、進んでる?」

心結が訊いて来る。

「まあ、ぼちぼち」

「心結ちゃんは受験勉強はどんな感じ?」

「暖ちゃんのお陰で英語出来るようになったから助かってるよ」

「そうか……暖、元気にしてるかな」

泉野は雑炊を食べながら言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る