第48話
暖希は映画のクランクアップを迎えた。
谷川慎太郎に出会い、アドバイスを受ける事が出来て、とても実りのある時間だった。
暖希の次の仕事は映画の評判次第である。
次のオーディションがあるのは2ヶ月後で
ある。
暖希はそれまでに基礎練習やパントマイムなどの日々の練習に力を入れていた。
いよいよ映画、虹色の風の試写会が開かれた。
さくら荘の面々は全員招待されていた。
暖希は谷川慎太郎の隣に立っていた。
「息子の慎吾役の春名暖希です。僕の役は大学生で親に反抗ばかりしています。精一杯演じましたので皆さんよろしくお願いします」
拍手が起こった。
「良かったよー。暖ちゃんやるね」
大家が感心したように言った。
その日はもう暖希の話で持ちきりだった。
「谷川慎太郎と共演するなんて凄い!」
泉野のテンションも高い。
「味のある映画だったよ」
長谷部も心なしか上気して見える。
「もう立派な俳優だよ」
瑤の言葉に全員が頷いた。
瑤ちゃんの言う通りだと思う。
でも売れたら暖ちゃんは此処にはいられなくなる。
出て行ってしまう……
心結は胸がキュッと痛くなった。
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