出会いの始まり④

 二回目のお渡し会も終わり、三人で最後に顔を会わせて現地解散となった。当然、帰る電車が同じ花林とも現地解散だ。次回以降のお渡し会は来週土曜日の名古屋、日曜日に大阪、その翌週に新宿だ。

 ナマガルシップスは大阪以外は参加するようだ。そう思うと少し気が重い。


 二十一時、例のラジオが始まる。『ブルーム』のゲスト出演は二十二時過ぎとのことだったので、ラジオを聞きながら携帯に入っているアプリゲームをやりながら時間を待つ。

 なんとなくラジオを聞いているが内容はやはり興味を惹かれたりするし、トークも面白い。

 そういう人達がパーソナリティーとして選ばれているのだろうけど、演技だけでなくトーク、歌、ダンス、今の声優には色んなものが求められている。

 そんな話をナマガルシップスが話してたな。今まではあまり気にしていなかった。声優って色々とできないといけない職業なのかな。


 二十二時十分頃にようやくブルームが登場した。主にトークするのはカナン、さららだの二人だ。まあさとしずるんは基本的に控えめで質問された時に答えるスタイルだった。  

 途中でミニゲームが行われ、成功するごとに新曲の宣伝時間が十秒長くもらえるというものだ。まあさの少しズレた感性がバレたりと全体的には面白かった。


 ただ、俺としては少し物足りない内容だった。しずるんのトークが他の三人に比べて少なかった。控えめな性格ではあるが、これまでのトークとは違った物を感じた。

話題も振られないし、いつも以上に会話に入っていかない。少し様子がおかしいようにも感じた。

SNSで感想を漁ってみても

「四人ユニットって聞いてたけど、もう一人どこいった?」

「浅舞って子、もう少し声聞きたかったな」

 という感想も見かけた。

 俺と同じような感想を持つ人もいる。やはり、そう感じたのは俺だけじゃなかったんだな。

 まあいいや、来週のイベントではきっとたくさん声が聞ける。それを楽しみにしていこう。

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