第2話謎の国に転送される
うーん。なんだここは、目が覚めると俺はまた知らない場所にいた。。あっちの部屋から騒ぐ声が聞こえる。
「アレシア様が転送の儀を成功させたぞ」
「さすがは我が国の王女様だ」
「よくやった!アレシア」
「ありがとうございます。お父様」
そんな声が聞こえてきた。扉を開けるとそこには大勢の知らない奴らがいた。
「あんたら誰だよ。ここはどこなんだ?俺の妹はどこにいるんだ。教えてくれ。」
俺は扉のすぐ近くに居た女性の肩を掴みながら問い詰める。すると近くに居た騎士が、
「貴様、王女殿下に対して無礼だぞ。」
といって剣を俺の方に向けてくる。
「別にいいですので気にしないでください。私の名前はアレシア・トラギウスです。この国の第1王女です。よろしくお願いします。あなたは?」
声の聞こえた方を見ると端麗な女性がそこには立っていた。
「そうか。そんなことはどうでもいい。俺の妹はどこなんだ、さっさと俺のところに連れてこい。どうせここにいるんだろ。」
そういいながら、俺はそのアレシアという名前の女性を睨みつける。それを見た騎士は
「もうこれ以上は我慢できません。今すぐ牢に入れましょう。」
騎士が手錠をこっちに持って来ようとする。
だがアレシアはその騎士を静止させる。
止めた後にアレシアはいう。
「あなた方に、そんなことをさせるために王城に置いているのではありません。」
この子はめちゃくちゃ良い人なんじゃ…
なんか申し訳なくなってきてしまった。
そんなことを考えて頭を抱えていると俺の肩を叩いていう。
「一応ですけどもう一度自己紹介をしますね。私の名前はアレシアです。あなたのお名前は?」
アレシアが自己紹介した時の顔はまさに日本でいうと沖縄の海、外国でいうとオーロラのように美しかった。
「お、俺の名前は東宗次です。よろしく?お願いします。」
あまりの美しさに俺は少し戸惑いながら返す。
するとアレシアは不思議そうな顔をして
「宗次が家名ですか?」
と聞いてくる。
「いや宗次が名前だ。」
「申し訳ございません。私たちの国では前が名前なので分からなかったんですよ。」
そうか。この国の人を見た感じ金髪や赤髪の人他には青髪の人しかいない。それにアレシアも銀髪だ。どうやらこの世界は俺のいた世界でいうところのアメリカやイギリスといったところだろう。
「別にいいんだが俺の妹は、本当に知らないのか?本当は隠してたりとかしてないのか?」
俺がそう聞くとアレシアは少し迷ったような
顔をして考え始める。
「少し待っててください。」
アレシアはそう言うと人集りの方へ小走りで向かって行った。アレシアが行った方向にはおっさんがいた。そのおっさんと少し話すとまた小走りでこちらに戻ってくる。かなりの距離があったからか少し息を切らしていた。一息を置いてから
「はぁはぁ。今回のようなことは今までないようで、もしかしたら他の国とかにいるのかもしれません。」
「わざわざありがとうな。でもそこまで急がなくても良かったんだぞ。」
そういって俺は、海美がいいことをした時に毎回頭を撫でるという癖のせいでアレシアの頭を撫でてしまった。頭を撫でられたアレシアは、少し不思議そうな顔をしていた。
「これはなんですか?なにかのおまじないですか?」
そういいながら視線を逸らす。しかし逸らした先には色々な人達がいた。それを見たアレシアは、視線が自分の方に、集まっているのが恥ずかしくなったのか顔が真っ赤になっていく。
「あっ、すまない。つい癖で。」
そういって俺はすぐ手を引いて自分の方に戻す。
「えっ。あっ、そうなんですか…」
とアレシアは少し残念そうな顔をしながらいう。
それを見た俺は話を逸らそうと慌てて
「少し質問してもいいか?」
「はい!なんでも聞いてください。」
アレシアが嬉しそうにいう。もしアレシアに尻尾があったら、めっちゃ尻尾をぶんぶん振ってるだろ。可愛いから撫でてあげたい。
…じゃなくて
「この国について説明してくれないか?」
「わかりました!任せてください。」
そういうとアレシアはこの国のことについて話してくれた。アレシアの話によると、どうやらこの国はグルレシア王国といって数ある国の中で軍事力はかなり上位の国で、国のある場所は一番南の方にあるらしい。戦争とかしたらほぼ勝つということだよな。強いんだなこの国は。
そんなことを思いながら国のことについて考えているとアレシアが俺の肩を叩いてきた。
「すいません。少しだけ測定をしても
いいですか?召喚獣?は情報がないと
登録出来ないので。」
そう言って水晶を俺の目の前に置く。
「あっ、はいお願いします。」
てか召喚獣ってなんだ?俺はどっから見ても
人間だろ。そんなことよりもだ
「これは、どうすればいいんだ?」
分からない俺は水晶の周りをぐるぐる回りながらアレシアに聞く。
「手をかざすだけで大丈夫です。」
そういわれた俺は回るのをやめ水晶に向かって手を伸ばすといきなり水晶の中に文字が出てきた。それの文字を見てみるとこんなことが
書いてあった。
東宗次
Lv1 HP500 AT50
MP80,000 適正魔法 水 氷
スキル「王令」
王令?どういうスキルなんだよ。
スキルのことについての詳細とかないのか。
説明も何も無かったらスキルを使うことすらできないだろ。バカかよあの女神は、
ちゃんとしろよな。
「あの〜もしかして勇者様なんですか?」
は?もしかしてあの女神同様に頭が残念なのか?
「何をいっているんだい?僕は普通の人だよ」
なんで、そんなことを思うんだ?レベル1何だからこれくらいが普通だろ。
「普通の人はまず魔法陣からは出てきません。あと普通の人ではありえないんですよ。その魔力の数値ってことはまさか…」
そうなのか。そこはちゃんと壊れてるんだな。
「まさか、Sランク相当の召喚獣!?」
「いやいや。俺は人間ですよ。」
「でも流石にこれは召喚獣ですよ。」
「俺は人間だって〜」
そんなことを楽しそうに話していた。
するとなにかの気配を感じた俺は、周りを見渡す。
「どうかなさいましたか?」
「いやなんもないよ」
おかしいな〜。今、視線を感じたような気がしたんだが。
場面は変わり国王の部屋
「クソが!あのガキいきなり出てきてふざけおって。わしのアレシアに色目を使いおって普通ならば処刑にしているところだ!アレシアお主はわし以外のものにはなるな。お前はわしだけのものじゃ。わしの大事な娘なんじゃ。」
異世界に送られてから1日が経ったがスキルも魔法の使い方も詳細も何も分からねぇし何からしたらいいんだよ〜。最初はとりあえず仲間作りからなのか?とかを考えていると、
アレシアが扉を少しだけ開けてこちら見ているようだ。そんなアレシアに俺は
「そんなとこで隠れてなにしてるんだ?
アレシア」
と喋りかけてみた。アレシアはそれに気づき
「なにをしているんでしょうと思いまして、一応あなたは私の召喚獣?ですし。」
「いやぁ〜仲間が欲しいなぁ〜って思ってさ。あとさ前回も言ったけど召喚獣じゃないから。」
俺は笑顔でアレシアのボケ?をツッコミしながらアレシアに思っていたことを話すと、
「いや別にその仲間に入れて欲しいとかではないんですがどうしても仲間になって欲しいなら仲間になってもいいですよ。召喚獣なんで仲間というよりも主人になりますよ。」
頬を赤らめて恥ずかしそうにしながらいう。
「ほんとか!!でも召喚獣じゃないから主人にならなくていい。それと本当に仲間になってくれるのか。だとしたら嬉しんだが。」
そういいながら俺はアレシアの手を握る。握った瞬間、手を握られるのが初めてなのか少しだけ照れていた。可愛い。アレシアは初めて会った人にも優しくして本当にいい人だ。俺じゃなかったら惚れていたね。そんなことを思った後に少しだけ気になったことが出来てしまった。それを俺はアレシアに聞く。
「そういえば俺はここでなにをすればいいんだ?」
俺が質問すると
「今は特にすることはないですが簡単にいうと冒険者のような仕事をして頂ければ」
という。つまりそれまでの間はごろごろしてても寝転がり続けてもいいし、ご飯を食べるだけでもいいってことなのか。
「それはニートということか?」
俺の発言を聞いたアレシアは
「ニートとはなんですか?教えて貰えませんか?」
といいながら首を傾げている。アニメとかの世界で言うのならば頭の上に?マークが3つくらいでているだろう。そんなことを考えているとアレシアは俺の肩を叩き聞いてくる。
「ニートって言うのはなんですか?」
どうしよう説明しにくい質問がきた。ヤバい!どうやって説明したものか、てかまず言わなかったら良かったわ。そうだこういうしかない。
「家を守る人のことだよ。」
と言うとアレシアは明るい表情で
「それはとても素晴らしくてかっこいいことですね。番犬みたいです。」
と目を輝かせながらいう。うっ、純粋すぎだろ。ここまで純粋だと心が少し痛む。だけど
「番犬ではありません。どちらかというと警備員みたいなものです。」
「わかっていますよ。ならしばらくのあいだは任せますね。そのニート?というやつの仕事をしておいて下さいね。よろしくお願いします。」
アレシアは手を振りながら去っていった。
うんうん。可愛いな。どっちかというと俺よりもアレシアの方が犬とかの動物なのでは?
アレシアが用意してくれた部屋に入るとそこに広がっていたのは家1個分の部屋だった。
奥の方を見るとそこには巨大なベットがあり、ベットの方へ歩いていくと少し手前の道に扉があった。そこの扉を開くと大浴場が広がっていた。お風呂の部屋の逆側にもトビラがありそこにはトイレがあった。さらにウォシュレット付きだ。正直時代が合ってないとは思ったがそこは置いておこう。こんな広い部屋でゴロゴロしてていいらしい。素晴らしすぎる。そう思いながら俺はベットに飛び込んだ。ベットのあまりのやわらかさに入ってから10秒くらいで眠りについた。それから起きた俺はご飯を食べ、また寝た。それから、この生活を何日も繰り返しかなりの日が過ぎていった。俺がいつものようにゆっくりしているとアレシアが部屋の扉を開いて入口から叫ぶ、
「宗次様、なにかしないのですか?」
「なにかとは?」
俺は同じくらいの声量でアレシアに質問する。
めんどくさかったオレは移動せずにベットでゴロゴロしているとアレシアがこちらに来ながら
「守るためには剣術が必要なのかなぁと思いまして一応…」
といい少し不安そうな顔をしながらこっちを見てくる。俺は今は別に強くなりたいという訳ではないんだ。だから、そんな顔するのはやめてくれ。でもそんな不安そうな目でこっちをまじまじと見られると、特訓をするしかないじゃないか。
「でもなにをすればいいんだ。」
そんな感じで独り言を呟いていると
「訓練所ありますよ。」
目を輝かせながらいう。これはなんだ場所を聞いてくださいってことか?しょうがないから特訓とをするしかないか。そうと決まれば場所を聞くとしよう。
「訓練所はどこにあるんだ?」
俺は部屋の鍵を閉めながらアレシアに聞く。
「あそこです。」
それを聞いたアレシアは元気な声で
指をさしていう。
「うん?どこにあるの?」
アレシアが指した方向をまじまじと見るが
何も無い。俺はもう1回アレシアに聞き直す。するとアレシアは俺の手を取り、
「なら案内します。こっちに来てください。」
アレシアに手を引かれながら進んでからしばらく経つと少し開けた場所に出た。ひらけた場所を見渡すと何百人もの兵士たちが剣を打ち合っている。どうやらここが訓練所らしい。ここは、まるで前世のころにやっていたゲームのようだ。
そんなことを考えているとアレシアが肩を叩き
「私は仕事があるので少し席を外しますね。」
「ああ。わかった。」
と言ってアレシアが少しずつ訓練所から離れていく。行かないで〜。と思ったが、どうせ来たんだから特訓少しでもするか。何も分からない俺は騎士の1人に聞くことにした。
「剣ってどこにありますか?」
「お前はあの時の失礼なやつか?そこにあるだろ。そっから取ればいいだろ。」
騎士は嫌そうな顔をしながら指をさしていってきた。なんだよこいつめちゃくちゃ雰囲気悪いな。
とりあえずここのを取ればいいんだな。
「誰か俺の相手をしてくれないか?」
俺が少し大きめの声で呼びかけていると
「お前の相手は俺が。」
「いや俺がやるぞ。」
おいおいそんなに俺とやりたいのかよ。
俺の事好きすぎだろ。いや待てよあいつらの目をよく見ると俺の事殺す気満々じゃないかよ。
俺、剣を取るのすら初めてなのだが、とりあえずゲームでやってたことをやってみるか。選ばれた騎士と向い合うと周りからやじが飛んでくる。
「王女殿下のペット」
「王女殿下の奴隷」
「雑魚イキリ奴隷野郎」
「間抜けな召喚獣」
こいつらめちゃくちゃボロカスにいってくるじゃないか。酷くないか?
「静かに!そこまでいう必要は無いだろ!」
そう言って審判が全員を静まらせる。
そうだそうだ。そこまでいう必要ないよな。
審判はわかってるな〜。さすがだ。
「それでは近衛騎士シャーク対王女殿下のペット宗次の決闘を開始する。構え!」
あいつマジかよ。さっきまで人を注意してたくせに俺のことをペットだと?舐めやがってこれが終わったら絶対にシバいてやる。
「開始!」
「殺してやる!来いよ。軟弱者。」
なんなんだよこいつらは全員揃って人の悪口ばっかりいいやがってマジでやってやるよ
「今すぐにそっちに行ってやるよ。」
俺はそう言ってシャークに突撃する。その瞬間
剣と剣がぶつかり合う。本当に勝てるのかよ。
こいつが近衛騎士ってことは騎士の中でもかなり腕が立つと見た。実際にかなり押されている。俺は1回離れてから
「うぉーー」
といいながら剣を振り回して少しずつ近ずいていく。
「雑魚が剣を振り回したところで勝てるわけがな…」
パキーン
「…は?」
俺は振り回していた剣を本気で叩き下ろした剣により、相手の剣は壊れていた。それを見た周りの騎士たちも驚いていた。そして折った俺自身も驚いていた。
「審判これって…」
指をさしながら聞くと
「し、試合終了。」
「勝者ペッ、じゃなかった東宗次ー。」
今一瞬ペットって言おうとしなかったか?こいつ本当に俺のことを舐め腐ってるな。でも初めての剣でも意外とどうにかなるもんなんだな。でもこのままだったら埒が明かない。ならこうするしかないか
「今のを見てまだやりてぇやつはいるか?」
「おい、あいつやばいだろ。」
「従った方がいいんじゃ、」
「でも王女殿下の前だとあいつが従う側だけどな。」
よし!上手くいってるぞ。後今悪口いったのは誰だよ。まぁそんなことは置いておいて、このまま上手く行けば…
「そんなに騒いで何をしているのですか?」
アレシアの声が訓練所に響く。どうやら仕事が終わって様子を見に来たらしい。
「いやぁ決闘をしただけだぜ。」
騎士達が慌てた表情で言う。
「えっ?決闘ですか?なぜそのようなことを?」
それをいった他の騎士たちは口笛を吹いている。それを見たアレシアは不思議そうな顔をする。
「王女殿下、私たちはこのお方に剣を教えて頂きたいです。」
騎士は肩を組みながらいう。こいつらなにいってんだよ。仲良さそうに肩を組みやがって、あと剣を使うの初めての相手に教えてもらおうとするなんて馬鹿だろこいつら、そんなことを思っている俺をよそにアレシアは、
「そうだったのですね。騎士の皆様方が、強くなるのは嬉しいので、このまま毎日教えて貰いたいのですがお願いしてもよろしいですか?」
嫌なんだよな〜。でもそれをいうのは男として嫌なんだよな。そんなことを考えていると、アレシアが肩を叩き、
「よろしいですか?」
と上目遣いをしながら聞いてくる。
待て待て待て待て、上目遣いはずるいだろ。
「分かったよ。その代わり、俺にも剣技を教えてくれよ。力はあっても技術がないからな」
俺はため息を着きながらいう。
「承知しました。それでもよろしいですか?」
それを聞いた騎士たちは
「はい!分かりました」
と元気そうにいう。まぁとりあえずは
明日から頑張りますか。
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