第3話魔物に出会う

決闘をしたあの日から数日後、俺はいつも通り王城でニート生活を満喫していた。俺は毎日の日課である8度寝をかまそうとしていた。

そんなときにいきなりドアが力強く開く。扉の方に視線を向けると扉からアレシアが入ってくる。そして俺に対して

「そろそろ外には出られないのですか?」

と不思議そうな顔をして俺のことを掴み何度も揺らしてくる。そんなことされたら目が覚めるわ。はぁ。こうなったら説明するしかないな。

「アレシア。ニートっていうのはな、いつでも家を守れるようにずっと家に、こもってないとダメなんだよ。」

というふうに返す。するとアレシアが

「そうなのですか?なにも知らないのに生意気なことをいってしまい申し訳ございません。でも少しは王城から出ましょうよ!ほら、ペットは寝ることも大事ですがお散歩も大事ですよね、そういうことです。そして飼い主の私は散歩をさせる義務があるのです。」

といいながら俺の手を引っ張る。まずい!と思った俺は全力で抵抗するが意外にもアレシアの力は強くベットから引きずり下ろされ、引っ張られていく。俺を引きずりながらアレシアは

「こんなことをしてしまい申し訳ございません。でも少しだけ出ましょうか召喚獣の足を鍛えなくてはダメですからね。」

「俺、何回もいってるけど俺、ペットでも召喚獣でもないから〜。」

という。そうして無理やり外に出されて王城から出て街に着いた。そこからしばらく歩いていると俺の腹が少しずつ痛くなってきやがった。まさか外に出なかったツケが回ってきたのか?この歳で漏らしたくない。嫌だがしょうがない。アレシアにいうしかないよな。

「アレシアさん、アレシアさん。」

「どうしたんですか?宗次様。」

不思議そうな顔をしながらこちらを見てくる。そして少し考えてから自分の中で勝手に解決したかように何度も頷いてから

「ここでペットはここでお手洗いはしたらダメなんですよ。家まで耐えてくださいね。」

「うん。合ってはいるけど、女の子が口に出してそんなことをいわないの。あと動物とかじゃないから普通にトイレでするんだよ。場所を教えて貰ってもいいかな?」

「一応あそこのお店の中にあったと思います。

それとついでなのでそのお店でお土産も買ってきてください。」

そういうとお金を渡してくる。お使いかな?

俺はそう思いながらお金を貰ってトイレに行った。トイレが終わり買い物を済ませ店から出てアレシアがさっき居た方へ向かっていくと

「お嬢ちゃん可愛いね。俺たちと一緒に遊んでかない?」

「yo yo yo〜」

「ちょっとやめてください。」

アレシアが変な男たちに絡まれていた。俺はそれを見た瞬間に英語?を喋っている男に向かって走っていき、ドロップキックをしてやった。

蹴られた男はかなり先まで飛ばされて行った。すぐに起き上がって来ないあたり多分気絶しているんだろう。それを見たもう1人の男は

「お前何をするんだよ。」

といいこっちに近づいてきて胸ぐらを掴んできやがった。イラッとした俺は、頭突きをしてやった。やられた男は鼻血を垂らして涙目になりながらいう。

「お前はなんなんだよ!」

俺はアレシアをこっちに引いていう。

「こいつは、俺のモノ(仲間)だ。手を出すな。」

「えっ!?」

アレシアはそれを聞いて、頬を赤くしていた。

そして同じように男も顔を赤くしていた。

顔を殴られた男は、もう1人の男を引っ張りながらいう

「クソっ、お前覚えとけよ!」

そういって立ち去って行った。

「アレシア大丈夫か?」

「さっきのモノとはどういうことですか?」

「さっきのはいや、ちょっとなんというか、仲間って意味でいったんだが…」

するとアレシアの顔が安心した顔をしてから

俺を安心させるためか少し微笑みながら

「仲間というよりはご主人ですけどね。

てか主人に対してモノとはなんですかモノとは。お仕置きしちゃいますよ。」

「それいつまでいうの?」

「永遠にです。」

少し嬉しそうにしながらアレシアはいう。

何が嬉しんだろうか、俺はバカにされてるようで少し嫌なんだがな

「そういえばお土産はどうしましたか?」

「こんなものでいいのか?」

そういって俺は買ってきた物を袋から取り出す。入ってからわかったことなのだが、あそこはお菓子のお店だった。だから俺は大量のお菓子を買ってきた。するとアレシアは少し困ったような表情をして

「私はお菓子屋さんの方じゃなくて、その隣のアクセサリーショップの話をしたのですが。」

そういって俺の方をチラッと3回くらい見てくる。なんか申し訳なくなってきた。

「はい、もう1回行ってきます。」

俺は余ったお金を手に握りしめてアクセサリーショップの方に歩いていく。それを見てアレシアは

「はい、偉いですね〜。流石私の召喚獣です。」

やっぱり俺って恋愛対象に見られないタイプなのかな?そう思いながらアレシアにプレゼントを買いに行くのだった。さっきのお店の場所からしばらく歩いて行くと、大きい建物が見えてきた。

「これってまさか…」

「はい。これが冒険者ギルドです。」

どうやら冒険者ギルドに着いたらしい。くっ、嫌だ俺はまだ働きたくない。アレシアの方をみるとアレシアはやる気満々だった。こんなにやる気満々だと断れきれないじゃないかー。そう思い頭を抱えていると、アレシアが俺に向かって

「そういえば宗次様の職って、なんでしたか?」

「そんなのどこで分かるんだ?」

「ステータスのとこに書いてませんでしたか?」

「ニートで忙しくて見てなかったな。

よし、今見てみるか。」

東宗次

Lv2 HP570 AT400

職業 魔術師

称号「嘘つきニート」

そしてそこの1番下に小さな文字で魔術師と書いてあった。あのバカ女神、ちゃんと見えやすい文字で書いとけよ。てか称号の名前もうちょっといい書き方があるだろ。間違ってはいないけど。後称号デカすぎだろ。これ前みたいな測定器で見られたりとかはしないよな?

「どうでしたか?」

アレシアが、顔を覗かせていう。

よし、称号のことは伏せておこう。バレたら

(主人に嘘をつくなんてお仕置です)

とか言われそうだもんな。

「魔術師とかいう職業らしい」

「そうなんですね。魔術師はとても珍しい職業なんですよ。」

「そうなんだな。」

レア職業か。そんなもの俺に扱うことはできるのか?

「どうしたのですか?」

「いや、珍しい職業と聞いて少し緊張してな。」

俺は頭を搔きながらいう。

「私でよければ教えて差し上げることができるかもしれません。」

「なんでだ?」

「実は私も、魔術師なのです。」

なんだって、これはもしかして運命なのか?

俺、落ち着け。彼女いない歴=年齢だぞ。そんなやつの運命が信じられるかよ。てかなんで俺は自虐してるんだよ。そう思いながら頭を叩いていると

「どうかしたんですか?もしかして頭が悪いんですか?それとも痛いんですか。大丈夫ですか?」

アレシアが俺の手を取りながら上目遣いしながらいってくる。アレシアは俺の心配をしてくれるのか。とりあえず返さないと

「な、なんにもないですよ。なので集中してください。」

あれ?なんかアレシアが悪口をいってたような気がする。さすがに俺の気のせいだと思うし

まぁいいか。

「え、あっ、はい。わかりました。」

それを聞いたアレシアは少し慌てたような反応をしてから少し考えたアレシアは勝手に納得してから俺に向かって

「もしかして何か恥ずかしいことでもあったんですね。隠さないでくださいよ〜。」

そういってクスクスと笑いながら俺の肩を何度も叩いてくる。

「や、やめてくれ。」

威力自体はそこまで高くは無い。でも塵も積もればなんとやらで、俺の肩に少しずつ痛みが発生してきた。

「ほらほら〜。教えてくださいよ〜。早く〜。」

「痛いってやめてくれ。骨が折れる。」

「ほらほら〜。」

「マジで肩が無くなるって、やめてくれ。」

少し大きめな声でいうとアレシアは叩くのをやめてくれた。そしてアレシアは肩の方を見る。すると叩かれていた俺の肩は真っ赤になって腫れていた。それも少し腫れているというレベルではなく骨折したときくらいパンパンに腫れている。

「す、すみません。気づきませんでした。」

「気にしなくていいよ。でも肩がめっちゃ痛い。」

アレシアはポケットから包帯を出して怪我をしていた俺の肩に包帯を巻いてくれた。するとそれを見たギルドの職員が台を叩いて咳き込むと、

「イチャイチャするなら他のとこでしろよ。

リア充が。」

受付嬢は目が笑っていない状態で口だけを笑顔にしていってくる。するとそれを聞いたアレシアは包帯を巻くのをやめて、ギルドの職員の方を向き、

「イチャイチャではありません。これはペットにする治療です。そう、つまりは飼育なのです。」

大声で誇りながらいう。周りを見渡すとギルドには30人以上いる。そんな場所で大声でいったのだ。あまりの恥ずかしさに俺は顔が赤くなっていく。恥ずかしくないわけが無い。顔を下に下げて地面を見ていると周りから

「あいつ全部女頼りかよ。」

「バカみたいだな。恥ずかしくないのかよ。」

「ペットの癖に生意気だぞ。」

「羨ましいぞ。俺もペットにしろよ。」

みんなで俺に向かって悪口を行ってくる。うん? てか最後のヤツはただの嫉妬じゃね?

もういい。さっさと説明を聞いてさっさと出ようこんな場所。早く出たいが困ったことに分からないことが1個だけある。それをするまでは出れない。ということで聞くことにした。

「そういえば、どうやって冒険者として登録できるんだ?」

するとさっき俺たちに向かって怒ってきたギルドの職員が、ため息を着きながら丁寧に1から教えてくれた。どうやら職業とか魔力量などを紙に書いて、それを提出すればいいらいし。俺は上から順に自分の情報を書いていく。するとギルドの職員は受け取ってから少し俺の事を睨み

「嘘の情報とか書いてませんよね?」

「書いてるように見えるのかよ。」

「じゃないと聞きませんよね。考えたら分かりませんかね?だからガキは嫌いなんですよね。」

口悪すぎだろ。一応受付嬢だろうがよ。少しここで肩破壊されたのを勝手な妄想でイチャついてるって思いこむだけでここまで変わるもんなのかよ。そういうのはこの受付嬢が俺たち以外の人に対応するところを見ていたからだ。笑顔で普通に対応していた。少しムカついたし、嘘じゃないっていうついでにクレーム入れておくか。

「全部本当だよ。あと口悪すぎ。少し考えくれよ。ぼっちな君でも一応はギルドの受付嬢なんだからちゃんとした対応してくれよ。」

俺がそう返すと受付嬢は

「出来ましたよ。ギルドカード。出来たからさっさと出ていけ。調子に乗るなよこのガキが。」

俺の方を睨みつけてから机にギルドカード叩きつけた。叩きつけられたギルドカードを受け取ったこうして俺は晴れて冒険者になった。

「うーんこれからどうしたものか。」

そういいながら頭を抱える。俺はまだ来てから1ヶ月しか経ってないのもあり、この世界のことについて全く知らないからだ。俺が頭を抱えているとアレシアが

「一旦、城外に出るのはどうでしょうか。」

うっ、労働は嫌だ。ならこのいい訳を使うしか

「でも、俺にはニートが―――」

「―――そろそろ怒りますよ。」

とアレシアが俺の言葉に重ねていう。

「すみませんでした。」

とりあえずは、城外から出ることになった。周りを見渡すと、綺麗な草原が広がっている。だが、上には俺の天敵である太陽がいる。きつすぎる。こいつは今までで1番強いぞ。何時間耐えられるかな?城外から出てしばらく歩く。目的地に着くまでの間にスキルについて考えていると、そういえばスキルってなんなんだ?となってきたので聞いて見ることにした。そして俺はアレシアの肩をトントンと叩き、

「アレシア、スキルってどういうふうに、発動させればいいんだ?そもそもここの人達は、スキルというものを持っているのか?」

俺がアレシアにそう疑問を飛ばすと、

「本来、スキルを持っているのは王族だけです。

しかし、稀にスキルを持っていることがあります。発動のさせ方ですが、私もイマイチ分かっていません。なにも考えずに常時発動しているので、すみません。」

申し訳なさそうにアレシアはいう。

「いや、いいんだ。ありがとうな。」

つまりはだいたいの奴らは持っていないのが普通ということか。アレシア達からしたら、俺たち転生者はかなり珍しい存在ということなのか。

「アレシアはどんなスキルを使えるんだ?」

「私は自分より魔力の低いものの、心を読める、というものです。」

心を読めるだと、まさかだと思うが…

「俺の心は読めるのか?」

読まれたらかなりまずいぞ。ニートのこととか隠していることが色々とバレてしまう。バレたら恥ずかしいこととか色々あるぞ。

やばい、やばいどうする、どうすべきだ。考えるだ俺。

「期待させてるところ申し訳ありませんが、宗次様は、私よりも魔力が高いので読むことは出来ません。」

少し恥ずかしそうにしてアレシアがいう。

うわー、可愛すぎだろ。可愛すぎて困るって。

うっ俺がイケメンだったらな〜。もう告白してるんだけどな。そんなことを考えているうちに、少し広い場所に出た。俺はその流れでアレシアに、色々なことを聞いてみることにした。

「受付嬢とギクシャクして聞けなかったが、冒険者ってなにをすればいいんだ?」

「魔物を狩ったり、薬草を採取したりなどですね。あと聞けなかったのは宗次様のせいなんですけどね。」

ゲームと同じような感じか。それは分かりやすくてかなりいいぞ。あと全部俺のせいかよ。ペット扱いとかしてなければなってないから俺だけではないはずだろ。アレシア自分がやってる事に気がついてないのかよ。天然か。

俺がそう頭の中でツッコんでいると

「その中でも今回は魔物討伐をします。」

「さすがにどの魔物を討伐するのか選べるんだよな?」

「はい。選べます。私が選んだのはスライムの討伐です。スライムはぷよぷよしてて少し可愛いんですよ。」



「とりあえず魔物探してみるか?アレシア。」

「は、はい。今日のような日のために、魔物がいるところを、たくさん調べてきましたので任せてください。」

うぅ。俺の為だけに色々調べてくれるなんて、可愛すぎるよ、アレシア。見惚れているとアレシアは、草むらの方へ走っていき言った。

「確かこの辺りに魔物がいるはずです。」

すると草むらから小さい青色のやつが出てきた。そうみんな大好き

「見てください宗次様。スライムです。魔法で倒してみてください。」

「どうやって使うんだ?分からないのだか?」

「そうでしたね。忘れていました。うーん、ヒューとやってグッとやってパァって感じです。ヒュー、グッ、パァですよ。ヒュー、グッ、パァ。」

可愛いなーアレシアは。じゃなくて

「それじゃあ分からないよ。」

「なら見ててください。ヒュー、グッ。」

その瞬間アレシアの周りに大量の火が出てくる。

「パァ。」

そしてアレシアはスライムに、向かって火を放った。そしてスライムは消えて石になっていた。うんなんで?足元を見ると石が落ちていた。そして俺はアレシアに聞いた。

「これって魔石だよな?アレシア。」

「はい。これをギルドに提出すると、お金に変えてくれます。魔石2個約1銀貨くらいですね。」

「ほう、それでモンスター次第で変わったりとかは?」

「しますね。ゴブリンだと1銀貨くらいです。ついでに言うと1000銀貨で1金貨になります。」

つまり今のうちに貯めて引きこもれば、

「よし!頑張るか。」

そういえば魔法の打ち方知らねぇわ。

「アレシア、もう少し詳しく教えてくれないか?」

「わかりました。まずヒューと魔力を手のところに移動させます。」

「ほうほう。」

「そしてグッでそこに魔力を貯めて、自分の打ちたい属性の魔法を思い浮かべます。」

「それでそれで」

「最後にパァと打ちます。略してヒュー、グッ

パァです。」

と自信満々にいう。うんうん、全くわからん。そして、一生懸命説明してるアレシアめちゃ可愛い。でもアレシアしか魔法使える知り合い居ないし頑張るか。その後1時間以上ヒュー、グッ、パァを参考に魔法を打つために頑張った。踏ん張ってみたり、手を木に向かって突きつけてみたり、力を抜いてみたりした。

そしたら、初級魔法だけなら使えるようになった。

「アレシア、もう1回スライムを探して貰ってもいいか?」

「はい!任せてください。」

そしてアレシアは嬉しそうに草むらを回り続ける。可愛い。草むらが動き始めた瞬間スライムがでてきた。

「いくぞ!アイスボール。」

そのアイスボールはスライムにぶつかりスライムは消えていく。

「そういえば、アレシアの魔法はどんな魔法なんだ?」

「私が打った火の魔法はファイアランスと言う上級魔法をつかえるですよ。使えるようになるために頑張りました。」

上級魔法だから、初級、中級ってことは2つ上!?マジかよ。さすがの俺でも悲しくなってくるぞ。彼女よりも使える魔法が弱いとか辛い。

「そこまで気にしなくてもいいのですよ。」

と言いながら、頭をポンポンと撫でてくれた。

「優しいよな。アレシアは、」

「あ、ありがとうございます。でも宗次様もお優しいですよ。」

「アレシア、俺のことは宗次って呼び捨てで呼んでくれ。」

「いいのですか?宗次様いえ宗次。」

うっ、これ以上は心臓が持たない。まずい…

「1回王都に帰りますか?」

「そうしたい。1回帰りたいー。」

俺たちは1回王都に帰ることにした。王城の近くに着くとそこには王様がいた。そして王様の周りには兵士たちもいた。おっ、出迎えか?俺の事好きすぎだろ。その瞬間、騎士は俺の周りを囲み武器を構えて

「罪人東宗次!貴様を捕縛する。」

「お前らなにをいってるんだ。」

俺が騎士を手を振り払いながらいう。

「お父様これはどういうことですか?なぜこのようなことをするのですか?宗次にはなんの罪もないはずです。」

アレシアの質問に対して王様は

「アレシアに手を出したからじゃ。わしの大事な娘であるアレシアに手を出した。それだけで大罪じゃ。だがアレシアがそこまでいうのなら追放だけで許してやろう。さっさと消えるがいい。」

「お前そういうヤツだったのかよ。」

俺が王様にいうと

「そうじゃ。わしは元々こんな感じじゃ。」

「俺は出ていくつもりは無いぞ。」

「出ていかないというなら処刑にするしかあるまい。今すぐ処刑の用意をしろ。」

俺はまだこっちで妹に会っていないし転生したばっかりだ。こんなところで死ぬ訳にはいかない。しょうがないが

「そうかよ。ならお望み通り出て行ってやるよ。」

俺は騎士たちの手を振り払い城の外に出て行く

「待ってください。なに者かの陰謀かもしれません。解決するまで少し待っててください。」

アレシアが俺のことを制止する。だが俺は今も変わらないが

「ごめんなアレシア。俺は1度決めたことは曲げたくねぇ。」

アレシアの手をゆっくりとずらしていく。だがアレシアは再び腕を掴み、

「宗次、そもそも私がこの世界に呼び出してしまったのが悪いのです。そんな私があなたを1人にするのは違うと思うんです。」

というとアレシアは服を少し引きながらいう。

「でもかなり苦しいこととかもあると思うぞ。」

「それでもです。私は絶対にあなたについて行きます。」

「本当にいいんだな?」

「はい。私でよければお供します。それとうさぎはどうやら寂しいと死ぬらしいですよ。もしかしたら宗次も死んでしまうかも知れません。それは飼い主として許せませんし。」

アレシアは冗談を混じらせながら笑顔でいう。嬉しくて涙が出そうだわ。

「少し違うような気がするけどよろしくな。」

俺はアレシアの手を引きながら、王都を後にした。


そして王都の、ある場所にて

「アレシアが王都を去っただと?それは本当か?」

謎の男は部下に対して聞く。

「はい。兵士たちが話していたので合っているかと。」

部下の男はニコニコしながらいう。

「そうか。ついに出ていってくれたか。これから面白くなりそうだ。」

そういって笑みを浮かべる者がいた。


一方王様はというと、、

「うわぁーん。わしのアレシアちゃんが〜。」

「そんなに悲しむのでしたら、最初からいわなければよかったのでは?」

騎士が迷惑そうな顔をしていう。

「だって一緒に出ていくなんていうとおもわんじゃろ。まぁ、とりあえず監視の兵をつけておけ。なにかあったらいかんからな。」

「わ、分かりました。」

とりあえず、アレシアが少し怪我でもしたら全員処刑にしてやるわい。

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