謎スキル「王令」で世界を支配する
小文夜久
第1話 女神との出会い
俺の名前は東宗次(あずま そうじ)。どこにでもいる普通の大学生だ。ひとつ普通と違うところは筋トレしていることだ。それ以外はどこにでもいるただの一般人だ。それと俺の家族構成は父と母がいて上には、姉と兄それに俺ときて妹の6人家族だ。そんな俺はごく一般的な人生を歩んでいると思う。まずは学校に行き授業を受ける。そしてバス登校のためバスに乗り込み家に帰っていく。帰り着いたら、毎日の日課である学校の友達と遊んでみんなが抜けたあとも1人でゲームする。
今日も授業が終わり、俺はいつものバスに乗り込んだ。そこには珍しく妹の海美(うみ)がバスにはいた。俺は海美の方に歩いていく。
「いつもよりも早くない?」
そういいながら海美の隣の席に座りながら
「今日は午前しかなかったから。」
「そうだったのか。わざわざ遠回りせずに家に帰ったら良かったのに。」
「私はお兄ちゃんと帰りたいから。」
俺の妹は今日も可愛い。同級生に自慢すると同級生にはいつも死ねだの、そんな妹いるわけないだの、俺によこせなどといわれる。こういうやつらのいうことは基本的に無視している。こいつらは何も分かっていない。俺と違い、可愛い妹持たないからだろう。そんな疑ってくる奴らの中でたまに写真を見せろという奴もいる。俺のことを疑ってんのかよ。そう思いながらも毎回俺はそいつらのいわれた通りに妹の写真を見せる。見るや否やそいつらからお兄さんや妹さんを僕にくださいだのいわれたりする。俺は絶対「お前なんかに妹はやらないからな。」と毎回返している。そんな海美の隣に座ったあとに周りを見渡す。人数は俺と海美を合わせて10人いるようだ。いつものこのバスは他のバスと比べて人が多くはない方だ。多くて10人〜13人程度、少なくて3人〜5人程度だ。つまり今日は多い方ということだ。これはまた珍しいことだ。そういえば、入る前に思ったけどバスの運転手はいつもとは違う人だったが今日はたまたま今日は休みなのかな?と思いながらそのまま座った。それからバスが動き始めしばらく経つと運転が少しずつ荒くなってきた。
「おい!大丈夫なのかよ。」
このバスでは常連のおっさんが怒号をあげる。
怒号を上げた瞬間に俺の体は浮き上がる。それから俺の視界は真っ暗になっていた。俺たちが乗っているバスは事故に遭ってしまったのだった。
ドンッ
「あんたはなんで悪いことばっかりするのよ。」
懐かしいなこれは俺が中学生の頃の母さんだ。そういえばなんで俺怒られたんだっけ?わかんないや。
「俺は1回いったことは曲げたくない。」
「だからって手を挙げていいことにはならないのよ!」
「ごめんなさい。」
「あんたのその悪い癖ちゃんと治しなさい。」
「そうするよ。」
思い出した。でもそれはあいつらが悪いんだよ。母さん会いたいよ。
目が覚め周りを見渡すと真っ白な空間に、美しい女性、俺の知らない光景がそこにはあった。それ以外できることがないからというのもあるが、俺はその女性にここがどこなのか質問することにした。
「ここってどこなんですか?もしかしてドッキリとかで連れて来られたんですかね?」
「ここは死後の世界つまりあなたは死んだのです。」
こいつはなにをいってんだよ。もしかして頭が残念な人なのか?逝っちゃってるのかな?違うそんなことを考えてる暇なんてない。
「そんなことより俺の妹は大丈夫なのかよ。」
そう、今はとりあえず家族である海美の安否を確認するのが優先だ。そう思った俺は慌てながら聞く。
「落ち着いてください。気にしなくてもあなたの妹さんは大丈夫ですよ。ちゃんと死んでますよ。」
こいつなにいってんだよ。狂ってるのかよ。大丈夫とかいっておいて大丈夫じゃないし、こんなバカみたいなこといったうえにこいつはウィンクまでしてやがる。ガチでうざいな。てか、普通の俺がこんなことに巻き込まれるなんてありえないことのはずなんだ。それ以前に人って死んだらそれで終わりじゃないのか?死んだ後もなにかをしないといけないのか?俺がそんなことを考えていると、女が俺の耳元で
「そうです。あなたがここに呼ばれたのにはちゃんとした理由があります。あと狂ってません。私は天才です。」
「なんでそのことを?」
俺が心で思ってたことをそのままいっているってことはまさかこいつ…
「心が読めるのです。」
まじかよ。じゃあ今まで思ってたこと全部バレてるじゃねぇかよ。隠し事の意味がないじゃんか。ならなるべく包み隠さずいってやる。
「あんたは何者なんだよ」
「私はこの地球の女神です。よろしくね☆」
こいつ頭大丈夫かよ。まぁいいか
「今バカにしませんでした?」
「してないですよ。てかなんでこんなところに俺はいるんですか?」
「実はあの事故なんですけど、私の過ちで殺人鬼である運転手の男に罪を与えるために、タイヤをパンクさせたのですがなんか思ったよりもあの生ゴミが抵抗しやがって、乗っている皆さんまで事故にあってしまったということです。てへぺろ☆」
やっちゃった☆みたいな感じでいわれたらなミスは誰にだってあるしなさすがに許す…
「…わけねぇだろ!!何やってんだよ!こっちだって人生楽しんでたのにあんたのせいで全部台無しじゃねぇかよ。どうしてくれんだよ。」
「まぁまぁ落ち着いてくださいよ〜。大将〜。」
「落ち着いてられるかよ。あと誰が大将じゃ。」
「ナイスツッコミです。それはさておき、あなた達には他の世界で第二の人生を歩んで貰います。」
「それってまさか…」
「そうです。異世界転生ってやつですね。」
女神がそういった瞬間少しの間だけその空間は静まり返った。心の中では嬉しいなぜなら、平凡を嫌う俺が平凡とは違うことが俺を待ってるんだ。でもそれは死んででも平凡から抜け出したい訳じゃないし、実質海美もこいつに殺されてるし、でもどうせなら
「お願いします。行かせてください。」
「いいですよ。まぁ断っても無理やり行かせましたけどね。まぁ転送場所はひとつの国の転送陣でいいでしょうか?」
ちょっと待てよ今聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしたんだが?まぁ気のせいだろう。そんなことより、
「待ってくれ。ひとつって俺が送られく国以外にも何ヶ国かあるのか?ついでに聞くが俺以外にも転生される人はいるのか?」
俺は女神に質問をした。
「覚えていませんが10くらいはあったと思いますよ。転生される人の数は覚えてませんがあなた以外にもいます。あ〜あといい忘れてましたけどスキルは自分の意思で選べませんからね。」
ん?今なんていったんだ?やっぱこの人さっきからおかしいことを挟んでるよな?
「だからスキルは自分の意思では選べませんか・ら・ね♡」
「ちょっと待ってください。スキル選べないなんて聞いてな…」
「いざ転送〜。」
そういい手をクルッと回す。
「何やってんだよ〜。このバカ女神が次あったら1回はシバいてやるからな〜。」
数時間後
宗次が先程いた空間で─────
「あれ?私はこんな所でなにを、そんなことより早く家に帰んないと。」
海美は周りを見渡す。白くて何も無い空間がそこには広がっていた。
「とりあえず進むしかないよね。」
海美はそういうと歩き出す。しばらく歩いていくとそこには変な女性が立っていた。
「あの〜、すみません。お兄ちゃんを見ませんでしたか?」
海美が話しかけるとその女性は振り返る。振り返り終わるとこちらに歩いて近づいて来る。
顔が当たりそうな位置まで来ると喋りだした。
「知ってますよ。」
「お兄ちゃんは無事でしたか?」
「はい。無事も無事ですよ。もう傷まみれになって、バスの火で無事に死にました。」
その女は笑顔でおかしなことをいってくる。
(この人って頭が残念な人だ。初めて見た。)
そんなことを考えている海美の頬っぺを女性がいきなり引っ張る。
「やめてくだしゃい。痛いでしゅ。」
「頭が残念って、本当にこの兄妹は揃って失礼な奴らですね。」
(なんで心で思っていた事が分かったの?)
「残念ながら私は心や考えを読めるんですよ。」
自慢げにその女は語ってくる。
「そうだったんですね。でも本当に残念です。
あなたをここで始末しないと私の気持ちがバレてしまいます。」
海美はそういうと少しずつその女に近づいていく。すると女はなにかに気づいたかのように
「あんたまさかあの人のこと──────」
「────それ以上いったらタダじゃすましませんよ。」
そういうと海美は女の胸ぐらを掴む。
「すいません。言わないので許してください。」
「はい。よろしい。では私は行きますね。」
「待ってください。私は女神なんですよ。」
「そうなんですか。初耳ですね。まぁ一応覚えておきますよ。」
そう言って海美は頭を下げると離れていく。
「ちょ、本当に少しだけ話を聞いてください。」
「宗教勧誘は興味ないんですよ。」
どんどん早歩きになっていく。それに追いつこうと女神も頑張るが逆に、どんどん離れていく。
「お兄さんともう一度会う方法があると言ったらどうしますか?」
その言葉を聞いた瞬間に海美は振り返りこっちに戻ってくる。
「その話詳しく聞かせてくだい。」
海美はものすごい圧をかけていう。
「実はあなたのお兄さんは異世界にいるんですよ。だからその異世界に送ることによって、もう一度会えるというものです。どうですか?」
「なかなかいい提案じゃないですか。言ってあげますよ。その世界とやらに。」
いい終わったのを確認した女神は説明書を取り出して異世界について説明を始めた。
「スキルと転生場所はランダムです。お兄さんの送られた国は────」
女神は送られた国を伝えようとする。
しかしその瞬間に女神の口に海美は手を当て
「ネタバレはやめてください。私は自分の力でお兄ちゃんを探すんですよ。」
「はい、わかりました。どんだけブラコンやねん。」
「今私のことを褒めませんでしたか?
ブラコンって。」
(うわぁ〜怖いです〜。もしかしたらこの人頭が残念な人なんじゃ…)
それを聞いた女神は心の中で密かにそう思うのだった。
「で、でわ、では異世界に送りますね。」
「テンパりすぎですよ、早くしてください。」
「は、はい〜。じゃあ行きますね。」
手を震わせながら手を顔の位置まで挙げるとそう言って手をクルッと回す。
「待っててくださいね。お兄ちゃん。すぐそちらに行きますから。」
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